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がん治療の進歩・放射線治療の紹介

2019年11月15日

 皆さんは、放射線科というとレントゲンなど画像診断を思い浮かべる人が大半かと思いますが、今回は放射線治療の紹介です。
 がん治療の三本柱として手術と抗がん剤に並ぶ放射線治療は、1895年のX線発見の翌年にはがん治療への応用が始まりました。その後、科学技術の発達と共に高精度放射線治療となった現在では、がんにしっかりと当てながら周囲への影響を軽くできるまでになりました。
 放射線治療には、放射線を出す針や薬を使う内照射と、放射線を体の外から当てる外照射がありますが、外照射で照射を受けたからといって、体から放射線が出るようになることはありません。
 放射線治療は、その役割も手がける領域も幅広く、病変を根絶やしにする根治的治療から、症状を和らげるための緩和的治療まで、また脳腫瘍や食道がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、皮膚がんなど多くの疾患で活用されています。
 治療の回数や期間も、1回の照射で済むものから、8週ほどかけて40回近く行うものまでさまざまで、これは治療の部位や目的により変わります。
 副作用も当てる部位により異なりますが、乳がん術後の照射などでは開始から2、3週目ぐらいで当てる範囲に日焼け程度の皮膚炎が出てきたり、前立腺がんでは頻尿や便意の変化などがあります。いずれの場合も、治療後1カ月後には落ち着きますし、通院治療と仕事を両立する人もたくさんいらっしゃいます。
 平均寿命が伸びる一方で、がんを患う場面も増えました。からだに優しく、形態と機能を温存できる放射線治療をうまく活用してもらえたらと思います。