病気について知る病気辞典

白内障手術について

2011年5月1日

手術の適応と時期に個人差

白内障は、カメラで例えるとレンズの部分が濁ってきて、物の見え方が徐々に悪くなる病気で、加齢とともに進みます。ちまたでは「早く手術した方が良い」とか、「だいぶ進んでから手術したので良い」など、さまざまな意見を耳にします。診療中に患者さんから聞かれることもよくあります。

白内障の手術は人によってお勧めする時期が異なります。運転や仕事で正確な視力が要求される場合には早めの手術をお勧めしますし、日常生活でさほど困っていない場合には時期を待つこともあります。

検診で視力検査をしますが、われわれは必ずしも視力だけで手術の時期を判断していません。レンズの濁り方により、症状の進み具合と視力の関係は変わります。

水晶体がすりガラスのように濁っていく白内障は、室内での視力検査結果が悪くなくても、外に出たとき、周囲の明るさの増減で視力が著しく低下することがあります。一方、水晶体が硬く茶色くなっていく白内障は、何十年進行しても自覚症状を感じにくいものです。

多くの方が手術の時期を選ぶことができますが、中には見え方が悪くなくても手術を急いだ方が良い場合もあります。

白内障になると、濁った水晶体が大きく膨らんでくるので、人によっては周囲の組織を圧迫することがあります。目の中を循環する水の流れを滞らせるため、急性・慢性の緑内障を起こしやすくなります。多くはレーザー治療で急性発作をしのげますが、慢性の緑内障になる可能性は残りますので、早めの白内障手術を要します。また、眼底(カメラでいうとフィルムに当たる部分)に病気を抱えている方は、白内障が原因で病状観察に支障を来すことがあります。逆に白内障だと思って放置しておいたら、実は気付かないうちに眼底にも病気が起こっており、取り返しがつかなくなっていたというケースもあります。

このように個人差が激しい病気ですので、白内障と診断されたら、視力やその他の危険性について、定期的に眼科医の指導と診療を受けるようにしましょう。