病気について知る病気辞典

知っておきたいイラガの話

2011年12月1日

不用意に毛虫や繭周辺に触れないで

刺されたり、かまれて痛い虫といえば、ハチ、ムカデ、イラガが有名です。
イラガはガの一種で、その幼虫はナマコ形をしており、サボテンのようなトゲ(刺毛)を持っています。柿の葉などを食害し、幼虫からガになる途中に、白と茶のしまのある卵形の硬い繭を作るので、ご存じの人も多いでしょう。近年、イラガの仲間でヒロヘリアオイラガが勢力を拡大しており、その幼虫は落葉樹から常緑樹まで多くの種類の葉を食害することから、現在最も身近なイラガといえます。

一般にガの幼虫は毛を持っていることが多く、毛虫と呼ばれます。多くの毛虫の毛は無毒で、ヒトが触れても無害ですが、一部には有害な化学物質を含んだものがあります。ヒロヘリアオイラガの幼虫には、見ただけでも痛そうな刺毛があり、さらに成熟した幼虫は肉眼では見えないくらい小さい毒針のかたまりを身につけています。トゲのような刺毛に触れると強い痛みと腫れを生じ、毒針が皮膚に刺さると、激しいかゆみと赤いぶつぶつができます。

ヒロヘリアオイラガの成虫は、年2回(6月頃と9月頃)発生します。幼虫は葉を食い荒らしながら脱皮を繰り返し、成熟した幼虫になると、地表に近い木の幹や周辺のブロック塀などに移動して、ピーナツ状で全体が茶色い繭を作ります。特徴的なのは、繭を作る際に、幼虫のとき背負っていた毒針を繭の外側にまぶすように付着させていることです。このように、ヒロヘリアオイラガの繭周辺には毒針が散乱していますので、気付かずに庭木の剪定(せんてい)をしたり、不用意に繭をかき取ったりして毒針を浴びると、冬でも毛虫皮膚炎を生じることになります。

イラガの仲間全てが有毒ではありませんし、土の中に繭を作る種類もあります。しかし、ヒロヘリアオイラガはヒトの手の届く場所に繭を作っています。年末の庭掃除ではご注意ください。