病気について知る病気辞典

乳幼児の急性中耳炎

2012年2月1日

難治症例が増加 様子や症状に注意

急性中耳炎とは、主に細菌が中耳腔(くう)へ感染することによって起こる中耳の急性炎症です。
ほとんどの場合、鼻の奥(上咽頭)の細菌が耳管を経由し、中耳腔へ侵入して感染を起こします。乳幼児の耳管は太く、水平に位置しているため、中耳炎を起こしやすい構造になっています。特に生後6カ月から2、3歳ぐらいの間は、免疫が未熟なために感染を起こしやすく、これらの理由から急性中耳炎の発症は子どもに多いのです。

耳痛や耳だれが主な症状ですが、発熱などの全身症状を起こすこともあります。
特に、乳幼児は症状を訴えることができないため、発見が遅れることがあるので注意しなければなりません。治療は抗生剤の内服が一般的ですが、炎症の程度や経過によっては、鼓膜切開や換気チューブ挿入が必要です。
近年、なかなかよくならない治癒遷延(せんえん)例や、感染を繰り返す反復例といった、中耳炎の難治例が増加傾向にあります。中でも2歳以下の抵抗力の弱い乳幼児は、急性中耳炎の難治化と重症化が進んでおり、抗生剤で速やかに治癒していた以前の急性中耳炎とはずいぶん異なるケースが増えています。これらの背景には、抗生剤が効きにくい薬剤耐性菌の増加や、集団保育による耐性菌の伝播(でんぱ)などが挙げられています。

こうした急性中耳炎の難治症例が増加傾向にある中で、病気の早期発見、早期治療が重要であることは言うまでもありません。
冬期には急性中耳炎が増加します。風邪をひいた後など熱が下がりにくく、子どもの不機嫌が続くようなら、急性中耳炎にかかっている可能性があります。

2歳未満児や集団保育を受けている子どもは、急性中耳炎が難治化・重症化する危険性が高まります。
早めに、近くの耳鼻咽喉科専門医の診察を受けられることをお勧めします。