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片頭痛

2022年5月20日

 みなさんの中には、頭痛で困っている方もいらっしゃるかもしれません。最近では、新型コロナウイルス感染症流行に関連して「コロナストレス頭痛」「マスク頭痛」というものまで出てきています。
 頭痛の原因として、脳自体の病気は意外と少なく、筋肉、脳血管、脳を包む膜がほとんどです。日本では、筋肉が原因の「緊張型頭痛」が3千万人、脳血管や膜が原因の「片頭痛」が1千万人いるといわれ、この二つで90%以上を占めています。
 吐き気がある、頭痛の予感がする、動くと痛くなる、光・においで頭痛がひどくなる、といった症状は、片頭痛の可能性があります。コロナストレス頭痛では、幸せホルモンともいわれる「セロトニン」という伝達物質が消費され不足してしまい、マスク頭痛では、長時間のマスク着用で二酸化炭素濃度が高くなるため、結果的に脳血管が広がって、片頭痛が起こりやすくなるともいわれています。
 片頭痛が起きた際には、頭痛薬や片頭痛治療薬が必要ですが、予防のためには、生活リズムを整え、ストレスを減らすことも重要です。近年、片頭痛には予防治療が認められるようになり、月に3日以上頭痛があれば予防薬を考えます。飲み薬に加え、2021年からは注射薬も使えるようになりました。毎日続けるのが難しいこともある飲み薬に対し、注射薬は高価ですが、1カ月に一度注射することで、頭痛の回数が半分に減ったり、人によってはなくなったりと、著しい効果をあげています。
 頭痛が続くなと思ったら、一度医療機関で診てもらうのが良いかもしれません。