病気について知る病気辞典

頚椎椎間板ヘルニアについて

2012年8月23日

体の中心で、全ての運動を支える大黒柱が脊椎という骨で、中には脳からつながっている脊髄という神経が通っています。脊髄から神経根という部分が枝分かれして、その先が末梢神経となり、全身に広がります。頚椎は重たい頭部を支え、かつ全身の神経が集まる重要な神経線維の通り道でもあります。

椎間板は脊椎の骨と骨の間で、クッションの役目をする軟骨です。その中心部にはゲル状の物質(髄核)があり、変性した軟骨の亀裂から髄核が飛び出したものを椎間板ヘルニアと言い、その突出により、神経根や脊髄が圧迫されます。

神経根部では神経を保護する膜が欠如しており、ヘルニアが起こした炎症による刺激を受け強い痛みを生じます。打撲や捻挫の痛みと違い、安静にしていても治まらない痛み(神経障害性疼痛)が持続するため日常生活も困難になります。この頚(くび)から上肢にかけての痛みやしびれ(神経根症)は、消炎鎮痛剤が効きにくいのですが、最近神経障害性疼痛に効く薬が発売され、効果が期待されています。

慢性期には頚椎の牽引(けんいん)療法が効果的で、頚椎に負担がかからないような日常生活の注意も必要です。

ひどい痛みはやがては治まることが多いのですが、一番問題なのは脊髄の圧迫が強い場合、不可逆的な四肢・体幹の麻痺が進行することです。
脊髄は脳と同様に一旦傷つくと治らないデリケートな組織なので、治療のタイミングを失わないよう、ためらわずに専門医を受診することをお勧めします。