病気について知る病気辞典

急性痛と慢性痛について

2012年10月11日

痛みは急性痛(1カ月くらいで治癒)と慢性痛(1カ月以上持続)に分けられますが、その治療法はまったく違います。

例えば、刃物で手を切った場合、即座に痛みを感じます。これが急性痛です。
皮膚には痛みを伝える侵害受容器がたくさんあり、痛みの電気信号は知覚神経を介して脊髄、脳へと伝えられます。傷が大きいと、傷ついた組織から放出された発痛物質が侵害受容器を刺激するので、より強い痛みとして感じます。急性痛は傷の治癒とともに軽くなってくるので、局所の安静(捻挫の時のテーピングなど)と発痛物質の放出を抑える薬(アスピリンなどNSAIDsと呼ばれている薬)の服用が勧められます。

一方、慢性痛は、原因により大きく2つに分けられます。
1つは慢性関節リウマチのように、変形した関節の侵害受容器からの痛み信号が絶えず出ているようなタイプ(急性痛の持続型)で、NSAIDsが比較的効きます。
もう1つは帯状疱疹後の痛みのように、皮膚は治癒しているのに痛みが持続するタイプで、ウイルスによって傷つけられた神経が原因で痛む(神経因性疼痛)と考えられています。このタイプでは、局所に炎症がないためNSAIDsはあまり効果がなく、脊髄や脳で痛みの伝達を抑制する薬や抗うつ薬が使用されます。痛みが強い場合は、弱オピオイド(非麻薬性鎮痛薬)が併用される場合もあります。

急性痛も痛みを放っておくと、慢性痛に移行することがあります。早めに痛みの専門医を受診しましょう。