病気について知る病気辞典

閉経前後にやってくる「更年期障害」 “のぼせ”や“ほてり”、いらいら、不眠、食欲不振などで悩んでいませんか?

2012年11月10日

「閉経」とは病的・生理的要因が無く、1年間以上無月経が持続した場合をいいます。「更年期」とは閉経前後5年間、合わせて10年間をいいます。
日本人の平均閉経年齢は50歳ですから、一般的には45歳から55歳くらいまでが更年期に相当します。

女性は思春期頃より、卵巣から女性ホルモンの分泌が始まり、妊娠・出産が可能な女性らしい体型になります。更に女性を肉体的、精神的に健康に保ち、美しい皮膚、頭髪を作り出します。
しかし更年期になると、卵巣の働きにかげりが見え始めます。やがて卵巣の老化により女性ホルモン(主としてエストロゲン)の分泌減少が起ります。すると卵巣をコントロールしている脳の中枢から、卵巣の女性ホルモン分泌をうながす「性腺刺激ホルモン」の分泌が増加します。このエストロゲンの減少と、性腺刺激ホルモンの増加が「更年期障害」の主原因と考えられています。

更年期における多種多様な症状は、人によって訴えの内容が違いますので、「不定愁訴」と呼ばれる事もあります。
症状を大きく分けると次のようになります。

①自律神経失調症状
のぼせ(hot flush)・顔のほてり・異常発汗・動悸・めまい

②精神神経症状
頭痛・無気力・情緒不安定・いらいら・抑うつ気分・不安感・不眠

③その他
肩こり・疲れやすい・腰痛・関節痛・吐き気・食欲不振・皮膚粘膜乾燥感・かゆみ・排尿障害・頻尿・性交障害・外陰部違和感

このような症状があり、明らかな器質的疾患がなく、日常生活に支障を来すほど症状がひどい場合を「更年期障害」と呼び、治療が必要になります。
鑑別が必要な疾患は甲状腺機能障害、悪性疾患、うつ病など重大な疾患がありますので、注意が必要です。
特に更年期に症状がなかったのに、その後何年も経ってから症状が出だした場合は、更年期障害以外の疾患を疑うべきでしょう。

ちなみに、更年期で不定愁訴を全く自覚しない人は約20%、自覚はするが日常生活に支障をきたさない人は約40%。残りの約40%の人が多少なりとも支障をきたしています。

「更年期障害の治療」は、自律神経失調症状が主な症状の場合には、ホルモン補充療法を行います。症状が不定であり多彩な場合には、漢方療法を行います。精神神経症状が強い場合には、カウンセリングや向精神薬を考慮します。生活習慣に問題がある場合には、改善するよう指導します。
その他、状況に応じて適切な対症療法を選択します。

不定愁訴ですから、使用薬剤も1種類だけでなく多種類が使用されることが多いのです。

更年期障害かなと思われる症状がありましたら、ぜひ専門医に相談して下さい。