病気について知る病気辞典

冬になると多くなる涙の異常 ドライアイと流涙症

2013年1月19日

1月に入ると冷たい風が吹きすさび、乾燥が続く季節になるので、涙の異常で眼科を受診される患者さんが増えてきます。
今回は寒くなると多くなる涙に関する病気として、①涙が出ない「ドライアイ」と②涙があふれる「流涙症」についてお話します。

涙は、上まぶたの外側にある涙腺から分泌されて、角膜や結膜を潤し、目頭の上下にある涙点という小さい穴から排出されて、目の表面から流れ出ていきます。その後、涙は涙小管という細い管を通って、涙嚢(るいのう)という袋に溜まり、鼻涙管を通じて鼻腔へと流れていきます。

ドライアイとは、涙の分泌低下あるいは目の表面での涙の蒸発増加による眼の乾燥症です。流涙症とは、涙が鼻へと抜けていく通路、即ち涙道における通過障害によって、目の表面に涙が溜まって涙目になる状態です。

では、なぜ冬になるとドライアイが増えるのでしょうか。
冬は肌がカサカサになって、肌荒れを生じるほど空気が乾燥しています。もともとドライアイは、長時間のパソコン作業を続けることにより生じることが多いですが、その理由として、パソコンの画面を長時間見つめると、まばたきの回数が減るために、涙の蒸発が増えて目が乾きやすくなることです。
さらに、室内は暖房によりもっと乾燥してくるので、涙の分泌が少ない人に「目が乾く」「目がコロコロする」「目が疲れる」などのドライアイの症状が始まります。
すなわち、室内の乾燥によりドライアイの進行に拍車がかかるわけです。

それでは、ドライアイの対策として、どんなことに気をつければよいのでしょうか。

まず、加湿器などを用いて、室内の乾燥を防ぐことが大切です。
まばたきも意識してしっかり閉じることにより、目の表面に涙がまんべんなく行き渡るようにすることも効果があります。
涙はリラックスすると多く分泌されるといわれているので、パソコンの画面を長時間見続けるのではなく、1時間に5~10分は休憩を入れて目を休めることが重要です。
ドライアイが進行して角膜の障害を起こしてくると、「目が痛い」「目がかすむ」などのより重症な症状が始まります。その場合は近くの眼科を受診することをおすすめします。

ドライアイの治療として、まず人工涙液やヒアルロン酸の点眼を行いますが、最近では結膜や角膜に作用して、水分やムチンという粘液の分泌を促進する点眼薬も出ています。重症のドライアイに対しては、涙点に栓をして涙が流れ出るのを遮断する治療法もあるので、ドライアイの症状に応じた治療を行うことができます。

次に、流涙症について簡単に説明します。寒い日に風が当たると、角膜や結膜を刺激して反射的に涙が流れ出るのは、健康な人でも生じますが、流涙症は涙道の閉鎖によっていつも涙があふれ出る状態で、まぶたの縁がただれたりします。
ただし、結膜炎、角膜炎や逆さまつげによって、涙そのものの分泌が増えていることもあるので、流涙症と区別するためには、眼科での検査が必要です。

流涙症の治療は、涙道の閉鎖部位を手術により開放することで、再度詰まらないようにシリコンチューブを挿入して、涙道が開放されたら抜去します。
こちらも症状にお困りの際は、まず近くの眼科を受診することをおすすめします。