病気について知る病気辞典

〜たかが石、されど石〜尿路結石症の再発予防について

2013年1月26日

尿路結石症という病気は決してまれな疾患ではなく、いまや男性で約10人に1人、女性で約25人に1人、一生涯のうちに尿路結石ができるとされています。
みなさんの身近な方にも、急に背中からお腹にかけて激痛を認め、救急車で病院に運ばれたら“尿路結石が原因だった”という人がおられるのではないでしょうか?

尿路結石の痛みは、結石が尿管内でつまってしまい、尿の流れが悪くなる時におこります。
この痛みの原因は、腎盂(じんう)の内圧の急激な上昇によるものと考えられています。尿路結石症の治療は薬物療法が基本ですが、自然排石困難な結石に対しては体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を中心とした外科的治療も行われています。
今回は結石の再発予防について詳しくお話しします。

尿路結石は再発しやすい病気で、一度尿管結石になった患者さんでは5年以内に再発する確率は約40%といわれています。再発しやすい病気といわれる結石ですが、生活の工夫と心掛けで予防ができます。

①水分をたっぷり
食生活での心がけで最も注意したいのは水分の補給。結石は尿の過飽和状態が要因となるので、それを防ぐために水分の摂取は大切です。
尿中のミネラルの濃度を低くするために、1日2リットル以上の尿量を保つようにしましょう。
「夜作られる」と言われる結石の予防には、夕食後の水分補給がポイント。また、汗をかいて尿量が減る夏も努めて水分を補給するようにしてください。
だからといって、アルコールを大量に飲むのは逆効果です。酒類ではワイン以外は酸性食品です。ビールにはシュウ酸、さらには尿酸のもとになるプリン体が多量に含まれています。

②カルシウムをしっかり、脂肪は少なめに
尿路結石の約80%は、シュウ酸カルシウムなどカルシウムを主成分としたものです。この種の結石の形成ないしは再発には、尿中のシュウ酸が一番重要であることが分かってきました。このため、結石予防のためには、カルシウムをしっかりとった方がいいのです。つまり、カルシウムは腸管中でシュウ酸と結合しシュウ酸カルシウムとなると腸より吸収されなくなり、尿中へのシュウ酸の排泄を抑制してくれます。女性では骨粗しょう症の予防にもつながるカルシウムをしっかりとってください。
これと同じ位に大切なことは脂肪の摂取制限です。脂肪を多くとると吸収されなかった脂肪酸が腸内でカルシウムと結合し、シュウ酸と結合すべきカルシウムが減少してしまいます。このため、吸収可能な遊離のシュウ酸が増えてしまう訳です。この2つが食事の基本と思います。

③野菜、海草、青身の魚を適度に
マグネシウムが豊富な野菜を食べることで、結石の形成を抑制することが出来ます。アルカリ性の野菜は体の酸性化を防ぎ、結石の抑制物質であるクエン酸を作ります。
ただし、野菜ばかりの食生活ではシュウ酸の取り過ぎにつながりますから、1食1皿が目安。要はバランスよく食べることにつきます。
ただし、ホウレンソウ、タケノコ、ナッツ頬はシュウ酸を多量に含んでいますから、茹でるなどの料理の工夫をしたいものです。
また、シュウ酸を多く含む紅茶、コーヒーにはカルシウムを含むミルクを入れればシュウ酸とカルシウムが結合して不溶性の結晶になり、吸収されなくなりますし、おひたしにおかかをかけるのも体にいい食べ合わせになります。
その他、青身の魚も結石予防に有効といわれますが、これも食べ過ぎは逆効果。イワシやレバー、納豆にはプリン体など尿酸の前駆体も含まれますから、バランスを考えながら食べましょう。

④塩分、砂糖はひかえめに
砂糖は尿中のカルシウム濃度を上げ、結石の形成に一役買いますから、取り過ぎに注意しましょう。とくにソフトドリンクは約10%の砂糖とリン酸も含まれていますから、要注意の飲み物です。塩分も尿中のカルシウムを増加させるので、なるべく控えるように心がけましょう。

⑤バランスよく規則正しく
偏った食生活や過食、運動不足になると結石が出来やすくなります。食事はバランスよく規則正しく心がけ、肥満にならないように注意しましょう。
例えば、朝や昼は軽くすませて、夕食にしっかり食べるという不規則な食べ方はタブーです。夜食べたものが尿中に排泄されて尿中の濃度が高くなり、結石が出来る好条件になります。寝る直前の食事も同じ意味で厳禁。「結石は夜作られる」ことをよく覚えておきましょう。