病気について知る病気辞典

「爪が痛い」 爪のトラブルで悩んでいませんか?

2013年2月9日

爪は何のためにあるのでしょうか?

爪は鋭敏なゆび先を保護する事と、手で物をつかんだり、足で体重を支える時に、ゆびの腹にかかる力を、ゆびの背から支える為に重要な働きをしています。

爪が脆くなる原因は、「カルシウムが足らないからでしょうか」と、患者さんからよく訊ねられます。爪は硬い組織ですが、骨とは違いカルシウムとは殆ど関係ありません。また、爪の色が変色してくると「爪が死んでるためでしょうか」という事も、しばしば訊ねられます。しかし、もともと生きた爪というものはありません。実は爪は死滅した皮膚の細胞が堆積した固まりです。
この事は毛髪にもいえることで、爪も毛髪も、共に切っても痛くないことからも理解できると思います。健康のバロメータなどと云われる爪半月(そうはんげつ)は、爪母(そうぼ)といって爪を作る細胞が存在する部分であって、全身の栄養状態とは無関係です。

さて、爪のトラブルで多いものに、「爪が痛い」と言って来院される方が多くみられますが、実際は爪が痛むのではなく、爪の周囲に炎症を生じて、爪周囲炎という状態になり、ゆび先に痛みを生じているのです。陥入爪(かんにゅうそう)とか、巻き爪などが原因になる事が多く、不適切な爪切り(深か爪)、靴が足に合っていない(小さすぎたり大きすぎる靴)、外反母趾、爪白癬(爪のみずむし)、外傷そのほか、原因不明の変形などによって、爪の先端部分が、ゆび先の皮膚を傷つけてしまい炎症を引き起こし、痛みの原因となります。

炎症を生じると、ゆび先の皮膚が腫れてくるために、さらに爪が食い込んで炎症を悪化させてきます。爪が食い込んで痛いため、更に深く爪を切ってしまいがちで、その事が逆に炎症を悪化させるという悪循環におちいっている事例をよく見受けます。

陥入爪、巻き爪などによる爪周囲炎の治療は、炎症を抑えるための薬剤や、足の清潔を保つ事、深か爪をしない事、テーピングによる減張、きつい靴は履かない事などに注意する必要があります。このような治療をしても軽快しない場合には、爪の状態にもよりますが、特殊な医療用ワイヤーを使って湾曲した爪(まき爪)を平坦にする方法や、食い込んだ爪を永続的になくす手術(外来通院で約2週間で治癒)などを、症状により選択します(なお、ワイヤーによる爪の矯正は保険が使えません。自費診療になります)。

爪白癬は爪の混濁、肥厚、粗造がみられ、多くは足白癬を合併していますので、みずむしの治療を行う事になりますが、爪白癬には塗り薬のみでは効果が不十分で、飲み薬による治療が必要になります。

加齢に伴い爪が肥厚、変色した場合や、原因不明の爪の変形などでは、治療困難な場合もありますが、爪のことでお悩みの場合は、皮膚科、形成外科などでの相談をおすすめします。