病気について知る病気辞典

怖いいびき(睡眠時無呼吸症候群)

2013年4月1日

生活習慣病や脳血管障害のリスク

いびきを聞くと熟睡している証拠などと考えますが、いびきそのものが異常であり、睡眠時無呼吸症候群の基本症状の1つです。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠1時間当たり5回以上、呼吸が止まったり浅くなり、日中の眠気や睡眠中の窒息感、睡眠中に頻回に目が覚める、熟睡感がない、日中の倦怠(けんたい)感、集中力の欠如などを伴います。

肥満に関係しますが、高度肥満者が多い欧米と比べて、さほど肥満者が多くない日本にも、睡眠時無呼吸症候群の患者さんが多いことが分かっています。これは顎や首の骨格のためだといわれています。

睡眠時無呼吸症候群では、日中の眠気が引き起こす交通事故が社会問題となりました。
2003年に起きた、山陽新幹線の居眠り運転事故が有名です。大惨事の原因となりますが、怖いのはそれだけではありません。睡眠時無呼吸症候群に肥満や高血圧症、高脂血症、糖尿病などが重なりやすく、心筋梗塞など虚血性心疾患や不整脈のみならず、脳梗塞、脳出血といった脳血管障害を約10倍引き起こしやすくなるといわれています。逆に、脳血管障害の患者さんの7割以上に睡眠時無呼吸症候群が隠れています。

睡眠時無呼吸症候群は実際の睡眠中に検査機器を用いて診断します。機器を貸し出し、家庭で一晩身につけて寝ていただきます。
疑わしい場合には医療機関で一泊入院し精密検査を行います。
実際に見つかればその程度により、持ち運びができる小型の呼吸器や、特殊なマウスピースを睡眠中だけ使うことで改善します。

脳血管障害は、死亡したり、麻痺(まひ)や言語障害、寝たきりになるなどの重い後遺症を残しやすく、その予防は非常に重要です。
「よくいびきをかく」と言われたり、日中の眠気がある人は、ぜひ専門外来を受診してください。