病気について知る病気辞典

月経前に、身体とこころの不調がある方へ〜月経前症候群について〜

2013年4月27日

月経前症候群という病気があります。その身体の症状を挙げますと、頭痛、腰痛、下腹部痛、食欲亢進、あるいは食欲不振と吐き気、疲労、倦怠感、乳房のはり、にきび、吹き出物、便秘の悪化、尿量減少、むくんで1~2kg体重が増え、月経が来ると戻る、などです。
また一方その“こころ”の症状は、イライラ、怒りっぽくキレやすくなる、漠然とした不安感、情緒不安定、すぐ涙が出る、気分がふさぎこむ、集中力や判断力の低下、過眠、などです。

これらの症状は数日~14日間続き、月経が来るとすべて消え去ります。これが残る様でしたら、うつ、更年期障害など、違う病気を考えます。月経のある女性の20~50%がこの症状を持っており、5~10%は治療が必要と言われています。

その原因としては、月経前の性ホルモンのバランスが全身を水分貯留に向かわせたり、セロトニンなどの脳内物質に影響を与えたりすること、そしてその上に心理的、社会的ストレスが重なっておこるとされています。

治療すべきかどうかは、もちろん本人がその症状をつらく思っていれば必要ですが、さらにその人の社会的、経済的な適応障害も考慮します。それは家庭内で、そのイライラや激しい怒りが、子どもや夫、親に深刻な影響を与えていないか、また、抑うつや社会的な引きこもりが仕事に影響していないかなどです。

非薬物療法としては、適度な運動、リラクゼーション、ストレス管理、バランスの取れた食事、カルシウム、ビタミンD、B6などの十分な摂取などがあります。

薬物療法では、まず漢方、これは個々人に合った選択が必要ですが、副作用の面で大変有利です。次に低用量経口避妊薬、ピル、以前は、深部静脈血栓症などの副作用を心配していたのですが、現在ではその頻度の低さ、そしてその数々の副効用から、かえってすすめられる薬物になっています。
ガイドラインでピルは副効用として以下の疾患の頻度を改善すると説明してもよいとしています。それは、月経困難症、過多月経、子宮内膜症、貧血、子宮外妊娠、機能性卵巣腫瘍、良性卵巣腫瘍、子宮体がん、卵巣がん、大腸がん、骨粗しょう症、にきび、関節リウマチです。
さらに、精神症状が著明であれば、向精神薬のSSRIを使います。これらの薬物は単独でも併用でも使用できます。

受診される時は婦人科でよいと思いますが、生活が成り立たないほどの精神症状があれば、精神科で治療すべきとされています。