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早期発見、早期治療が必要な、くも膜下出血~普段と違う激しい頭痛が起きたら

2013年5月11日

脳卒中の約1割を占める「くも膜下出血」は、突然に命をおびやかす、極めて怖い病気です。その死亡率は大変高く、約40%が死亡、約30%が重い後遺症が残り、社会復帰できるのは30%、そのうちリハビリなしで今までどおりの生活に戻れるのは10〜20%といわれています。

その原因として、最も頻度が多く、よく知られてるのが脳動脈の一部がふくらんでできた動脈瘤(どうみゃくりゅう)の破裂によるものです。脳動脈瘤は約2%の人が持っているとされ、その破裂率は年間0.7〜2.0%とされます。

くも膜下出血を起こしたときの最も典型的な症状は「バットで殴られたような」とか「今まで経験したことのない」と表現される突然の激しい頭痛です。さらに出血の程度により、一瞬で脳圧が上がり呼吸が止まって即死する人、意識障害を起こし救急車で運ばれる人、比較的軽症で自ら頭痛を訴え外来受診する人などさまざまです。多くは項部硬直(首の硬直)、血圧上昇やおう吐がみられます。

くも膜下出血の診断には頭部CTやMRIを撮影します。その原因が動脈瘤かどうかは造影剤を用いたCTやMRA、脳血管撮影でさぐります。

もし動脈瘤があれば治療として開頭手術を行い、その瘤の根元を洗濯ばさみのような金属製のクリップで挟む「ネッククリッピング術」か、開頭せずに大腿部を穿刺してカテーテルという管を脳血管までおくり金属製のコイルを瘤のなかにすべりこませてパックしてしまう「コイル塞栓術」を行います。

こうして動脈瘤が再破裂しないように治療したのちも、油断はできません。急性期には脳のダメージにより、脳が腫れる脳浮腫が起こってきます。発症して2週間の間は脳血管れん縮といって出血の影響で脳の動脈が縮んでしまい、脳梗塞を合併する危険があります。また尿が多量に出る尿崩症や肺に水がたまる肺水腫なども起き、全身の状態が悪化する恐れがあります。しばらくすると脳脊髄液の循環や吸収が悪くなって、脳室という部位がふくれてくる正常圧水頭症を起こす人もいます。

このようにくも膜下出血自体だけでなく、その合併症も気をつけないといけません。普段感じたことのないような頭痛があれば、脳を専門とする医療機関を受診してください。
くも膜下出血がないか、動脈瘤の有無のチェック(MRA検査で)が必要です。また実際に未破裂の動脈瘤がある人は高血圧、喫煙、飲酒が破裂する危険因子になります。特に高血圧も合併している人はしっかりした血圧コントロールが必要です。また動脈瘤を持っている人は頭痛以外にものが二重に見える、片方の瞳孔が開くといった症状も危険信号です。

いずれにしても早期発見、早期治療が必要な病気ですので、気になれば早めに受診をおすすめします。