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前立腺がんなど、前立腺の異常を判断する指標~PSAをご存じですか?

2013年6月22日

PSAとは、前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen)の略語です。PSAは前立腺内で作られるタンパク質で、それが血液中に入ってくるため、採血によってその数値を知ることができます。PSAは前立腺内でしか作られませんから、PSAが正常値を超えるということはすなわち、前立腺の異常を示します。

良性疾患では、前立腺肥大症や前立腺炎がありますが、やはり悪性疾患の前立腺がんを心配しなくてはいけません。PSAの正常値は4以下です。年齢によってもう少し細かく正常値を決めることもあります(年齢階層別)。
PSAが4から10では約30%にがんが発見されます。PSAが4から10だと少ししか上昇していないのであまり気にされない方もいるかもしれませんが、かなりの確率でがんは潜んでおり、安心してはいけません。一方、PSAが10を超えると約50%に、20を超えると実に80%以上にがんが発見されます。このようにPSAは前立腺がんを発見する検査として非常に重要です。

しかし、日本ではまだまだPSA測定は普及していません。一部の地域ではPSA検診をしてくれていますが、その普及率は十分とは言えません。
PSAの認知度がまだまだ低いのが大きな原因ですが、せっかく健康診断や人間ドックを受けても、通常行われる検診にはPSAが含まれていないこともひとつの原因です。人間ドックなどでは、多くの場合PSA検査はオプションに設定されています。検査項目の中にPSA測定が入っていなければぜひ追加してください。
前立腺がんの罹患率は男性のがんの中で第3位(2005年)です。今後高齢化社会が進むにつれさらに増加することが予測されます。ぜひ、PSA検診を受けましょう。

では、いつPSA検診を受ければいいのでしょう?

50歳未満で前立腺がんが発見されることは少ないので、50歳で一度PSAを測定しましょう。もし、親族に前立腺がんの人がいるなら、40歳での測定がすすめられています。
この時のPSAが1未満であれば、その後のPSA測定は2〜3年ごとで十分です。もし、1を超えていればPSAは毎年測定しましょう。もちろん4以上なら泌尿器科を受診し、診察を受けることが重要です。

異常が見つかるのが怖いので検診は受けたくない、という人が時々いますが、これは間違いです。もし、前立腺がんが見つかっても早期であれば治ります。早期で見つけるためにはPSA測定が必須です。

前立腺がんの治療には様々なものがあります。腹腔鏡下手術や放射線治療の中の密封小線源治療などは進行するとできません。前立腺がんは進行すると骨やリンパ節などに広がり、痛みなどの障害を引き起こし、治療も困難になります。今でも診断時に骨転移が見つかる人がいますが、PSA検診を受けていればこのようなことは無くなるはずです。

50歳を超えた男性の方は自分のPSAの数値を知っておくことが重要なのです。普段の会話の中で、”PSAって何?”ではなく、”PSA測定した?”という言葉が出てくれば、前立腺がんは怖くありません。