病気について知る病気辞典

放置すると怖い膝から下の傷~膝から下に治りにくい傷はありませんか?

2013年9月21日

膝から下(足や下腿)を虫に刺されたが、なかなか治らない。ちょっとつまずいて擦り傷を負ったが、ひどくなっているような気がする。けがをした記憶はないのだが、気がついたら傷になっている。

このような経験のある方はいらっしゃいませんか?もしかしたら何らかの病気が隠れているかもしれません。

治りにくい傷のことを皮膚潰瘍と呼びます。特に足や下腿は皮膚潰瘍がよくできる場所です。足や下腿は組織に余裕がなく、また血のめぐりが他の部位と比べてあまりよくありませんので、皮膚潰瘍ができやすい場所といわれています。なんらかの持病がある方は傷の治りが悪い状態にありますので、さらに治りにくくなります。

足や下腿の皮膚潰瘍の原因は、年齢に伴う動脈硬化などにより、血管が狭くなったりつまったりした場合や手術などにより下肢のリンパ管がつまったり切れたりした場合、糖尿病や膠原病といった全身の病気によるもの、時には栄養状態が悪い場合や飲み薬が原因のこともあります。この他にも様々な原因により、治りが悪くなっていることがあります。足や下腿の傷がなかなか治らない場合は、気付かないうちにこのような病気に侵されているのかもしれません。治療を行う前に十分な検査が必要です。

この中でも動脈硬化が原因の場合についてみてみましょう。この特徴は動脈がどこかで狭くなっているために、皮膚潰瘍のある側の血のめぐりが悪くなっています。そのため、足は冷たく、皮膚はテカテカし光沢があります。痛みを伴うことも多くみられます。診断は足の血圧が十分に保たれているか、酸素が足に十分回っているかという一般的な検査から、超音波検査、CTやMRI検査で血管のつまりがどの部分にどの程度あるのかを調べる検査まで行います。

血管がつまっている場所や程度がわかったら治療に移ります。血管の状態によっては血管のつまりを広げたり、手術で足の血のめぐりをよくすることができる場合がありますので、循環器内科や血管外科と連携をとり治療を行います。血のめぐりがよくなると、小さな皮膚潰瘍は急速によくなることもあります。大きな皮膚潰瘍や血のめぐりをよくすることができなかった場合には、軟膏(塗り薬)を中心とした治療を行います。それでも治りが悪い場合には、皮膚移植や手術を行うこともあります。しかし、対処が遅れると血のめぐりが徐々に少なくなり、足を失うことになります。早めの対処が必要です。

足や下腿の皮膚潰瘍では、治った後の管理も大切です。全身の病気による潰瘍は再発しやすいからです。皮膚潰瘍の部分の保護とともに、再発しないように長時間の立ち仕事を避けたり、足を挙上したりしてうっ血を避けるなどの日常生活の改善も重要です。

いずれにしても、なかなか治らない傷がある場合はひどくなる前に、できる限り早く、専門医の診察を受けることをおすすめします。