病気について知る病気辞典

食物アレルギーとアナフィラキシーショック

2013年11月1日

万が一の際の協議と行動プランを

原因食物が体に入った時に、アレルギー症状が起きることを食物アレルギーといいます。
症状はさまざまですが、摂取後2時間までに起こることが多く、代表的な症状は、じんましん・皮膚の発赤(ほっせき)・痒(かゆ)みなど皮膚粘膜症状です。この他、嘔吐(おうと)などの消化器症状、咳(せき)・喘鳴(ぜいめい)などの呼吸器症状、不安などの神経症状、血圧低下・頻脈などの循環器症状がありますが、2つ以上の臓器症状が重なると、アナフィラキシーという全身の重症なアレルギーとなります(例:じんましんと喘鳴など)。
また、血圧低下など循環器症状が加わった時には、アナフィラキシーショックといい、最悪の場合は死亡することがあり大変危険です。2006~2011年の6年間の厚生労働省人口動態統計では、アナフィラキシーショックによる死亡総数は353人で、うち27人が食物の摂取(他にはハチ刺傷103人、医薬品161人など)が原因でした。

アナフィラキシーショックの可能性がある場合には、血圧を上げる効果のあるエピネフリンの注射(エピペン)をうつ必要があります。エピペンが処方されている患者でアナフィラキシーショックが疑われる場合、以下の症状が一つでもあれば使用すべきであるという「一般向けのエピペンの適応」が、日本小児アレルギー学会から今年7月に出されました。
①繰り返し吐き続ける②我慢できない強いおなかの痛みが続く③のどや胸が締めつけられる④声がかすれる⑤犬がほえるような咳⑥強い咳こみが続く⑦ゼーゼーする呼吸⑧息がしにくい⑨唇や爪が青白い⑩脈を触れにくい・不規則⑪意識がもうろうとしている⑫ぐったりしている⑬尿や便を漏らすなどです。

エピペンを処方されている患者自らがうてない場合、アナフィラキシーの救命現場に居合わせた人が代わってうつことは医療法違反にはならず、刑事および民事責任も問われないことが各省から通達されています。学校現場などでは、前もって誤食時に対しての協議と具体的な行動プランを立て、アナフィラキシーショックに対する態勢を整えておくことが重要です。