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「おしっこが近い」と悩んでいませんか~頻尿の原因には何がある?~

2013年11月9日

寒くなると、よく聞かれるのが、「おしっこが近い」という症状です。そこで今回は、おしっこが近くなる原因について考えてみましょう。

まず、尿意のほかに、排尿時の違和感、痛み、残尿感などが一緒にあれば、「炎」の可能性があります。膀胱炎は、陰部の細菌が尿道口から膀胱内に入り、増殖することで発症します。女性は男性と比べると尿道が短いため、細菌が膀胱内に入りやすいので、膀胱炎にかかりやすいのです。健康な時、膀胱炎を起こすことはまれです。何らかの理由で身体の抵抗力が低下すると膀胱炎が起きやすくなります。治療には抗生剤の内服薬が使われます。

次に、頻回に尿意を感じて毎回しっかり尿が出る場合は、「多尿」かもしれません。「多尿」、「夜間多尿」は、一つの基準として、24時間の尿量が、体重(kg)X 40mlより多いか、夜間尿量率(24時間尿量に対する夜間の尿量の割合)が33%より大きいかどうかで診断します。

例えば、体重40kgのヒトでは、1日尿量1600ml以上の場合は「多尿」です。尿量が多くなる原因は、水分摂取習慣(元々の飲む量が多い)、血糖値が高くて口が渇きやすいなど様々です。排尿回数、排尿の量ともに多い場合は、まず自分の1日の尿量を測って「多尿」傾向がないか確認することをおすすめします。

また高齢男性では「前立腺肥大症」が原因のこともあります。前立腺は膀胱直下にあるくらいの大きさの男性だけにある臓器です。これが大きくなるのが「前立腺肥大症」です。前立腺が肥大すると、膀胱から尿道へ尿が通りにくくなって、残尿が増え、尿意が頻回となります。この場合、症状からは逆のようですが、排尿時の抵抗を下げる薬で膀胱から尿道へ尿を通り易くして治療します。残尿が減ると、尿意が減ります。

最後に、急に強い尿意を感じ、尿が漏れそうな感覚を伴う場合は、「過活動膀胱」の可能性があります。「過活動膀胱」の特徴は、突然尿意を感じて我慢するのが難しいという感覚(尿意切迫感)です。例えば、炊事、お風呂掃除などで冷たい水に触ると、それまで何ともなかったのに突然尿意を感じて、尿が漏れそうになることはありませんか。これが尿意切迫感です。尿意切迫感は「過活動膀胱」の患者さんに、必ずみられる症状です。

日本人の排尿に関する疫学調査では、40歳以上の日本人女性のおよそ10人に1人が「過活動膀胱」症状を経験しているという結果でした。「過活動膀胱」の症状は、膀胱が勝手に縮んだり、過敏な働きをするためです。その原因は、脳梗塞など神経系の障害、子宮・膀胱・尿道を支えている骨盤底筋のゆるみ、「前立腺肥大症」の影響など様々で、原因が特定できない場合もあります。治療には、膀胱の過剰な収縮を抑える内服薬が主に使われます。

このように、ひと口に「おしっこが近い」といっても様々な原因があり、原因によって対策、治療も異なります。お困りの方は泌尿器科にご相談ください。