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子宮がん検診で異常が見つかったら〜 一次検診で分かること、二次検診で分かること〜

2013年12月7日

子宮がんは、早期に発見できれば子宮を摘出することなく治療をすることもできますが、発見が遅れると、大切な子宮を失うばかりか命を落とすことにもなりかねません。しかし、検診をすると、女性の体の中で唯一直接細胞が取れてがんになっても早くわかるために、がんになる前の前がん状態や、ごく初期のがんの状態で発見することができます。このため、公費で、20歳以上の女性の子宮がん検診事業が進められています。

それとともに、一次検診にひっかかって、精密検診といわれる人も多くなり、いろいろ心配をされ、「眠れないまま、がん検診の精密検査に来た」という方によくお目にかかります。そもそも、子宮がん検診というのは何をしているかと言いますと、子宮の入り口にある子宮頚部(子宮がんになりやすいところ)の細胞をブラシで集め、最終的にはプレパラート(ガラス板)にとって、顕微鏡で、細胞の形や周りの状況を調べることによって、正常、異常を判断する検査です。ただ、細胞一個一個の形を主に診断するために、子宮の炎症や、ホルモン異常や、とても軽い前がん状態でも異常と判断せざるをえないため、精密検査の必要があります。

では、次は何をするかというと、“コルポスコピー下生検”といって、薄い酢酸を子宮頚部にぬり、病変のあるところを拡大観察して見極め、そこから組織片を採取して、病理学検査(組織の形そのものを診断する検査)に提出いたします(ポリープが見つかったときに、とっておいて後で検査に出しておきますと言うのと同じですね)。これでやっと本当にがんかどうか、また前がん状態のどれくらいのところかが診断されるわけです。

また、最近、細胞診の分け方が、以前のⅠからⅤまでの分け方から”ベセスダシステム”という新しい分類に変わったため、見知らぬ単語が、検診の結果の用紙に書かれており、これにびっくりされて来られますが、基本的に大きく変わったということではなく、子宮がんの原因となるパピローマウイルスの関与を考えて分け方が変わっただけですので、あまりご心配なく二次検診をお受けください。

また、パピローマウイルスの検査が、部分的には健康保険でできるようになりましたので、軽い異常の場合、生検をせずに、ハイリスクパピローマウイルスがいるかどうかの検査をすることもあります。パピローマウイルスとは、以前より、いぼの原因ウイルスとして、100種類以上が見つかっていますが、このウイルスの中で、子宮がんになりやすいハイリスクウイルスがわかっています。

ハイリスクパピローマウイルスは、80%以上の成人女性が一度は感染するものの、ほとんどは自然に消失しますが、何らかの原因で持続的に感染すると子宮がんに進行することもあります。このウイルスを調べることによって子宮がんになりやすいかどうかの判断ができるため、以前なら何度もわずらわしいコルポスコピー下生検をしなくてはならなかったのに、外来で簡単な検査をするだけで、生検の回数を減らすことができるようになりました。

いずれにしても、怖がらないでがん検診、また精密検診、その後の治療を受けることが大変重要です。