病気について知る病気辞典

最近話題の「ピロリ菌」について〜5つの質問にお答えします〜

2014年1月25日

①「ピロリ菌」とはなんでしょう?
最近マスコミなどで「ピロリ菌」についての話題を目にする機会が増えています。さて、この「ピロリ菌」どんなものなのでしょう。正式には「ヘリコバクター・ピロリ」という細菌で、胃の中に住んでいます。ピロリ菌を発見したオーストラリアの医学者がこの功績で、2005年にノーベル賞を受賞しています。

②ピロリ菌がいると困るの?
ピロリ菌が胃の中にいるといろいろな病気を引き起こします。まず、時間をかけて胃が傷んでいきます(慢性胃炎という病気になります)。ピロリ菌が感染することにより生じる胃炎だけでは通常、症状はありません。胃・十二指腸に大きな傷(胃・十二指腸潰瘍など)ができる方もいます。(胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者さんの80~90%はピロリ菌に感染していて、ピロリ菌が胃・十二指腸潰瘍の原因になっていることがわかっています)。胃がんができる方もいます。さらに、胃以外の全身の様々な病気と関連している可能性があります。

③ピロリ菌はどうやって感染するの?
ピロリ菌は口からピロリ菌が胃に入ることにより感染します。どのようにピロリ菌が口から入るかは、衛生環境や習慣によると考えられています。現在の日本は世界で最もきれい好きな国の一つであり、ピロリ菌が感染する機会はまれになっています。日本はここ70年間に敗戦後の状態から現在の衛生状態のいい国に変化してきており、高齢者はピロリ菌を持っている方が多く、子どもたちはほとんどピロリ菌を持っていません。

④検査と治療は?
内視鏡検査で「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」と診断された人は、保険を使ってピロリ菌の検査・治療を受けることができるようになりました。(健康診断目的のピロリ菌の検査および治療は、保険診療ではできませんので注意が必要です)。

治療は、3種類のお薬を1週間飲みます。これにより多くの方のピロリ菌を胃の中から消すことができます。お薬を飲んでから1カ月以上あけてうまく治療ができたかの検査を行います。ピロリ菌が残っていたら、もう一度少しお薬の内容を変えて2回目の治療薬を1週間飲んでもらいます。

お薬で治療してピロリ菌を胃から追い出してしまうと、それだけで治る病気もあります。また、ピロリ菌がいなくなると、お薬や手術などで治療をした後に再発する可能性が低くなる病気もあります。ピロリ菌がいるなら治療をきちんとして、確実にピロリ菌がいなくなったかどうかを判定することをおすすめします。

⑤ABC健診って?
最後に、最近健康診断の項目に「ABC健診」が含まれていることがあります。これは血液を採るだけでピロリ菌感染の有無と胃炎の程度(胃の傷み具合)を調べるものです。この結果をA-C(D)群に分けて胃がんになりやすいかどうか判定します。「胃がんになりやすい」と判定された方は、定期的な健診または医療機関で相談されることをおすすめします。