病気について知る病気辞典

慢性精神科患者さんと家族はどうつきあったらいいか

2014年4月5日

病気は、「こころとからだのゆとり」という点からも考えておくといいでしょう。ささやかでも、気持ちのいいことが大切です。季節感を味わったり、花の香りを楽しむことも、ゆとりがないとできません。まず休養し、安定してから無理のないよう試みつつ、社会復帰を考えましょう。再発はマイナスに捉えがちですが、うまく乗り越える中で学ぶことは多いはずです。本人の学ぶ力を信じてあげましょう。家族が希望を捨てないこと、家族がこころのゆとりを持っていることは、薬の何倍も勝る力となります!「一輪咲いても花は花」「七転び八起き」の気持ちで過ごしましょう。

また、あせりは養生の敵。本人のあせりが伝染しないよう、ゆったりと構えましょう。症状が慢性化している時は、こじらせないことです。現状維持も立派な養生。日々の生活を大切にしながらチャンスを待ちましょう(健康な人も同じです)。

治療には、家族と本人とスタッフの呼吸が合うことが大事です。スタッフが考えている治療方針や、本人の状態をどう判断しているのかを、そのつど確かめましょう。生活とその雰囲気が見えれば見えるほど、お互いに無理のない目標が立てやすいのです。家族しか分からないことや家族だから分からないこともあれば、スタッフにしか分からないこと、スタッフだから分からないこともあります。具体的な生活のことから些細なことでも遠慮なく伝えましょう。

本人とのつきあい方として、まず、過干渉になっていないか、あきらめて放任していないか、あせってないか振り返ってみてください。お互いが無理をせず疲れず、見放さない関係を保ちましょう。一緒に楽しめれば理想的です。ひとこと言いたくなっても抑えてみてください。どうしても言いたいときはさらりと。家族の間でもあいさつは大切で、特にことばの調子は注意が必要です。本人は周りの人のどんな態度も敏感に感じていることがほとんどです。そして押し問答を避けること。家族の言うことは聞かないのにスタッフの意見は素直に聞くことがあります。また病人扱いもプライドを傷つけます。薬を飲んでいる限り病気が治っていないのではありません。表情がよく、笑顔があり、おだやかであれば、働いている健常人より健康かもしれません。

薬の飲み心地は大切です。遠慮せず医者に伝えることをすすめてください。再発を避けるには、十分な睡眠と疲れを感じることが大切です。休み下手の人が多く、疲れを自分のせいにしがちです。こまめに休むことや、手を抜くことをすすめてください。

作業所やデイケアだけが居場所ではありません。外出や買い物の楽しみ、秘密も大切にしてあげてください。本人が小さなことから始めるのを待ちましょう。自分で見つけた感じがあるのが理想です。今、できそうなことから提案してみるのもよいです。

たとえ病気が完治していなくても、自分に合った生活を自分で送っている感じがあれば、立派な社会生活です。なんのために治るのか?家族が安心し自分が安心し、ゆとりがあり、ささやかでも楽しみがあることが大切ではないでしょうか。以前の望みや興味があったことを、違う形で活かせる時が来ると信じてあげてください。