病気について知る病気辞典

アルコール依存症について

2014年3月13日

歓送迎会の時期になると、お酒を飲む機会も増えます。友人や家族で楽しむ人も多いでしょう。ただ残念ながら、飲酒量を自分でコントロールできない人もいます。本国のアルコール依存症の有病率は、およそ約0.9%(80万人)と推計されます。

依存症の場合、お酒に執着して社会的責務(就労等)を容易に放棄するため、家庭や社会生活に大きな影響を及ぼします。「精神依存」と「身体依存」があり、精神依存は強い飲酒欲求を自己制御できない状態を指します。身体依存は身体的異常(離脱)を生じる状態で、手の震え、冷や汗、不眠などが出現します。時には幻覚や妄想、意識障害を呈します。一方、長引くうつ病や不眠症などの背景に飲酒が関与していることもあります。「いらいらする」「眠れない」といった理由での飲酒習慣は見直しましょう。逆に悪化することがあります。

依存症は「否認の病気」です。本人は「いつでも止めることができる」と主張して周囲の助言に耳を貸しません。家族と職場が協働して、本人に内省を促すことが重要です。日ごろから酒害について意識を持ちましょう。時には厳しい対応も必要です。曖昧な態度や妥協は決して本人のためになりません。早めに医療機関にご相談ください。

現在、薬物療法には嫌酒剤2種類と、断酒補助剤1種類があります。ただし、依存症の治療には、本人の治療意欲が必要です。「たかが、お酒」ではありますが、大きな健康問題である認識が重要です。