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胃の粘膜下にできた腫瘍は、どのように治療していくのでしょうか?

2014年6月28日

胃の病変を見つけるのは、胃透視、胃内視鏡(胃カメラ)が一般的です。その中でも胃内視鏡はずいぶん進化し、微細な粘膜病変を診断できるようになり、早期胃がんが発見されやすくなりました。

その内視鏡が良くなったことで、胃の粘膜下にできた腫瘍がよく発見されるようになりました。粘膜の下にあるため、内視鏡でも直接見えず普通の生検では診断できず、治療をどうするかが問題になります。ほとんどは大きさが1cmにも満たないもので良性のことが多く、経過をみるだけでそれ以上の処置は必要ないと考えられています。ところが2cm程度に大きくなった腫瘍の自然経過は、十分解っていません。現在、全国の病院から2cmから5cmまでの胃粘膜下腫瘍の経過データを集めているところです。

解っていることは、2cm以上の腫瘍の一部は悪性の腫瘍であることです。2cm以上の腫瘍を診断するための検査は、造影CT、PET-CT、MRI、超音波内視鏡検査(EUS)、超音波内視鏡下針生検(EUS-FNAB)などいろいろありますが、全ての検査を総合しても悪性腫瘍と診断することが難しいこともあります。単純に大きくなる速度だけで悪性度を診断する場合もあります。

検査結果で悪性が疑われたら、薬では完治することが期待できないので、治療は手術が第一選択になります。リンパ節転移することはまれなので、腫瘍を切除すれば完治が期待できます。手術術式は次第に変化し、施設によっても異なりますが、5cm程度までの腫瘍なら、腹腔鏡下に腫瘍を含めた胃部分切除をすることが一般的です。

最近では、切除する胃の面積を減らし、術後の胃の変形が少なくなるように、内視鏡と腹腔鏡とで共同して手術をする方法もあります。腫瘍が胃のどこにあるのかによって手術の難しさは変わりますが、ほとんどの場合、腹腔鏡下の手術は可能です。

腹腔鏡下の手術は合併症が少なく、短期間の入院で治療可能な手術です。術後食事にも困ることはまずありません。切除した腫瘍の顕微鏡検査で診断が決定されます。現在、その診断基準は統一されたものがあり、腫瘍の多くは良性で、その後は経過観察で済みます。しかしまれに悪性と診断された場合は、予防的に経口抗がん剤を服用することがすすめられています。腫瘍の性質から胃がんの抗がん剤とは異なり、分子標的薬に分類される抗がん剤です。いろいろな研究から長期に服用することで再発、転移が抑えられることが証明されているので、高額で副作用もありますが、ぜひ服用してほしい薬です。

現在、遺伝子診断が進み、より悪性度の高い病変や抗がん剤治療をしても再発転移をした病変には、専門施設でのさらなる治療が期待されています。腫瘍の大きさが5cmを超えた場合は、悪性であることが多いため手術をすることをおすすめします。

胃粘膜下腫瘍では大きさで治療が違ってきます。見つかった場合は、消化器内科または外科の医師と相談してください。