病気について知る病気辞典

夫のために知っておきたい、排尿トラブルをもたらす前立腺肥大

2014年7月19日

50代、60代になると半数以上の男性に症状あり
治療には薬や内視鏡手術、レーザー手術などが

前立腺って、どういうもの?
前立腺は栗の実くらいの臓器で、男性の膀胱の出口、尿道の始まりを包むように存在します。真ん中を通っている尿道に精子の出口が開いていて、射精の時には膀胱と尿道の継ぎ目をしめつけ、精液が膀胱に逃げず外に出るように働きます。

40歳を過ぎる頃から前立腺の細胞が増え始め、50代、60代になると半数以上の人が大きく硬くなり、肥大症になります。
前立腺が大きくなると真ん中を通っている尿道が圧迫されてしまい、硬い前立腺でしめつけられると、さらに尿が通りにくくなります。前立腺の所が通りにくくなると、膀胱はより強い力で尿をしぼらなければならなくなり、膀胱の筋肉に余計な力が入った状態が続くようになります。その結果、膀胱が不安定になり急に尿意をもよおしたり、トイレに着くまでに尿が出始めてしまったりします。この症状は「過活動膀胱」の症状であり、前立腺肥大症による過活動膀胱と診断されることがあります。

さらに悪くなると前立腺の抵抗に負け、しぼりきれない尿が膀胱に残るようになります。これを「残尿」と呼びます。膀胱の筋肉が限界を超えるとどんどん残尿が増え、筋肉は力を失い伸びきった膀胱になってしまいます。いわば低活動膀胱です。

こうなると膀胱の中にいつも多量の尿があり、尿が少し増えたら膀胱が満タンになり排尿しなければならなくなります。しかし尿には勢いが無く、とぎれとぎれ出たり、おなかに力を入れないと出ないこともあります。

過活動膀胱の時期でも低活動膀胱の時期でも結果的に頻尿になりますし、両方の症状が出る人もいます。

診断・治療はどのように?
症状ばかりでは完全に診断できませんので、ある程度の検査をします。基本的な検査として、検尿で炎症の有無や他にトラブルが隠れていないか調べます。それから超音波検査を行い前立腺の大きさや形など肥大の状況を観察します。尿の勢いを測る機械もあり、何秒で排尿でき1秒間に何㎖の勢いで出たか等を測定します。必要に応じてより精密な検査をすることもあります。

治療はまず、尿道へのしめつけを緩める飲み薬を始めます。症状や体力等を考慮しますが、最も積極的な治療は肥大した前立腺をくり抜く手術です。尿の通り道がすっきりすれば良いので、前立腺を全部取る手術とは異なります。以前はお腹を切って手術していました。今でも非常に大きい肥大の場合はお腹を切って手術する事もありますが、内視鏡手術が発展し、現在は内視鏡手術が主流です。最近はレーザーを利用する方法を用いることで、大きな前立腺もより安全に手術できるようになりました。

また近年、過活動膀胱など蓄尿排尿機能の解明が進み、新しい薬も開発されて薬による治療の幅も広がり、膀胱を含めた下部尿路の症状に対する合理的な治療が構築されています。

排尿の時に何かを感じた男性は、1度泌尿器科で相談してみて下さい。