病気について知る病気辞典

高温多湿の時期は、細菌の増殖が活発に

2014年8月2日

夏の食中毒にご用心!

夏は、細菌が原因となる食中毒が多発します。その理由として、気温と湿度が高くなることで、食物に付いた細菌の増殖のスピードが速くなること、キャンプや海水浴といった野外活動でバーベキューをする機会が増えること、夏バテなどで体の抵抗力が低下することが挙げられます。では、食中毒にならないようするにはどうしたらいいでしょうか?

食中毒を起こす細菌の代表的なものとして、病原性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ菌があります。これらは牛や豚、鶏の腸の中にいる細菌で、これらの細菌が付いた牛肉・豚肉・鶏肉や卵を生や加熱不十分な状態で食べることで食中毒が起こります。したがって、これらの食中毒は肉や卵をしっかり加熱すれば、ほぼ防ぐことができます。でもそれだけでは不十分です。というのは調理する際に、肉汁から野菜に細菌が付いて、その野菜を生で食べて食中毒を起こすことがあるからです。野菜サラダを作る時は特に注意しましょう。バーベキュー用の野菜も真っ黒に焼くわけにはいけませんので、注意が必要です。野菜を調理する時には、野菜に肉や肉汁が付かないように、また、肉を切った包丁やまな板などの調理器具を野菜の調理に使わないようにしましょう。手洗いも大切で、特に、生肉に触ったら手をよく洗いましょう。

これらのことから「じゃあ、肉も野菜もよく加熱して調理すれば大丈夫じゃないか!」と思っている人もいるかもしれません。でもそれは間違いです。というのは、熱に耐える毒素を作る細菌がいるからです。

黄色ぶどう球菌は人の皮膚などにいる細菌で、時に傷口や化膿した所に多く存在します。菌そのものは熱に弱いのですが、菌が作る毒素は熱に強く、100℃で30分加熱しても無毒化できません。そのため、食品が菌に汚染されて、一度毒素ができてしまうと加熱しても食中毒は防げないのです。黄色ぶどう球菌による食中毒は、素手で握ったおにぎりの室温放置などで見られますが、その予防には、手洗い、手袋の着用、低温保存(10℃以下では毒素を作らない)が有効です。

他に、加熱で予防できない食中毒としてヒスタミン食中毒があります。マグロ、カツオ、サバ、イワシ、アジなどの赤身魚を獲ってから食べるまでの間の温度管理が悪いと、魚に付いている細菌が増えることで、魚に含まれるヒスチジンというアミノ酸がヒスタミンに変えられて、大量のヒスタミンが魚の中に作られます。一度できてしまったヒスタミンは、加熱してもほとんど壊れないため、加熱調理してもじんましんなどのアレルギー症状を引き起こします。その予防は低温保存の徹底が重要で、魚の低温流通が発達した現在ではほとんど見られなくなりました。

加熱で防げない食中毒の予防には、食品の低温保存が大切です。野外活動では、冷蔵庫が使えないので、クーラーボックス等を活用して、低温保存するよう心がけてください。