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症状が消えたからといって安心できません~脳梗塞の前触れ~

2014年8月9日

手足や顔がしびれる、半身に力が入らない、しゃべりにくい、ふらつく、目がまわる、視野が一部欠けるなどの症状があらわれ、24時間以内に消えることを一過性脳虚血発作と言います。これは脳の血流が悪くなり症状があらわれ、脳細胞が死んでしまう前に再び血流が良くなり、症状が消えてしまう状態です。脳の血流が悪い状態がそのまま続くと脳細胞は死んでしまい、症状も残ってしまいます。これが脳梗塞です。

一過性脳虚血発作を放っておくと、3カ月以内に15~20%の方が脳梗塞を起こすと言われており、そのうちの半数以上は48時間以内に起こります。しかし、すみやかに治療を開始すれば脳梗塞になる確率を減らせることが分かっています。

一過性脳虚血発作は、動脈硬化と心臓の病気が原因となる場合がほとんどです。頸動脈などの太い血管の動脈硬化により、血管の内面に血栓が付着したり、不整脈などの心臓の病気があると、心臓内で血栓が作られたりすることがあります。その血栓が血流にのって脳の動脈につまると症状が出てきます。しかし、血栓が小さいと、溶けて流れてしまうため、血流が回復して症状も消えてしまいます。また、動脈硬化によって狭くなった血管があると、血圧が下がった時などに脳の血流が悪くなり症状があらわれ、血圧が回復すると症状も回復します。

一過性脳虚血発作が起こった場合には、MRI検査や心電図検査、心臓エコー検査などを行い原因を調べます。MRIでは、過去に起こった脳梗塞の状態や新しい脳梗塞が起こっていないかどうかなどを調べることができます。また、MRA(MRIによる血管撮影)では脳の血管の動脈硬化の程度や細くなっているところがないかを検査することができます。また、心電図や心臓エコー検査により不整脈や弁膜症がないかなどを調べます。原因がわかれば、適切な薬を使用し、脳梗塞が起こるのを予防します。狭くなった血管が原因で起こった場合には、手術が必要となることもあります。

一過性脳虚血発作(脳梗塞)を起こさないようにするためには、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病がある場合には治療をしっかりと行うこと、喫煙や大量飲酒などの生活習慣を改善することが大切です。また、脳梗塞や血管に細いところがないかどうかをMRI検査などで調べ、必要があれば適切な治療を受けておくことも大切です。

一過性脳虚血発作の症状は脳の血流が悪くなる場所によってさまざまです。気になる症状が現れた方は、たとえ症状が消えたからといってそのままにはせず、できるだけ早めに病院を受診し、検査を受けられることをおすすめします。