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“詰まった感じ” “引っかかるような” “ヒリヒリ感”のどの異常感を感じる疾患って?

2014年9月27日

症状として「のどが詰まる感じがする」「のどの奥に何か引っかかっている」「のどがヒリヒリする」等です。このような患者さんに痰がのどに詰まり「エッエッエッヘン」と咳払いすることがありませんか?と質問すると、「そうそうその通りです」と答えられます。

実際、鼻からファイバーを挿入し咽頭・喉頭を観察すると、鼻粘膜が腫れてただれており、色がついた鼻汁が鼻の奥(上咽頭)からのどに流れ込み、喉頭(のど仏)周辺に鼻汁が絡んでいるのが観察できます。この鼻汁がのどに落ちこむ状態をと言いますが、冒頭で述べた症状のほとんどが後鼻漏が原因であることが多いです。

後鼻漏は、副鼻腔炎が原因であることが多いです。副鼻腔とは鼻の周りの空洞で、上顎洞(じょうがくどう)・篩骨洞(しこつどう)・前頭洞(ぜんとうどう)・蝶形同(ちょうけいどう)から構成されています。この空洞に炎症が生じると、黄色い鼻汁、顔面痛、頭痛といった症状が出現し、さらに悪化し鼻汁が気管に落ちこむと気管支炎も併発することがあります。このような症状があらわれた場合、患者さんは蓄膿だなと思い、耳鼻咽喉科を受診し適切な治療が行われます。 しかし、鼻がのどに落ちる後鼻漏のみで、日常生活にあまり支障がない場合は、治療に行かず放置されていることが多く、1~2カ月間、のどがすっきりしないといった冒頭で述べた症状が続くとき「何かあるのでは?」と心配になり初めて耳鼻咽喉科を受診されることが多く見受けられます。

後鼻漏が原因であるのどの異常感の治療は薬物療法とプレッツ置換療法を併用して行います。プレッツ置換療法とは、仰臥位で頭部を後屈し鼻内に薬液を流し、吸引器具で圧力差を利用し副鼻腔に溜まった鼻汁を吸引することで、鼻汁の後方への流れ込みを防止する治療法です。1~2週間続けることで、多くの患者さんは、症状が軽減したと言われます。また、お子さんや抗生剤を利用しにくい妊婦の方にも非常に有効で、鼻汁、咳が長引く場合、プレッツ置換療法をすることにより、抗生剤の内服を早期に終了することが出来ます。

そのほか、のどの異常感で注意しなければならない疾患があるため述べておきます。

【逆流性食道炎】
最近、食の欧米化による肥満が増えることにより増加している疾患です。起床時の口腔の苦み、食後のゲップがあり、のどの異常感を伴う場合、上記疾患が疑われます。喉頭ファイバーでは喉頭周辺粘膜(披裂部)の発赤や喉頭肉芽(おでき)を認めます。

【悪性疾患】
甲状腺がん/初期では症状はほとんどありませんが、進行すると嚥下時の違和感、声のかすれなどの症状が出てきます。女性に多いですが、早期発見すればほとんどが制御可能ながんです。定期的なエコー検査をおすすめします。

咽頭がん・喉頭がん/喫煙、飲酒が原因の生活習慣病によるがんです。60歳以上の男性に多いです。初期は咽頭異常感ですが、「進行すると、嗄声(かすれた声)、咽頭痛が出てきます。これも喉頭ファイバーで早期発見が可能です。喫煙、飲酒歴があり、上記当てはまる方は耳鼻咽喉科受診をしてください。

食道がん頸部(頸部食道がん)/喉頭ファイバーでの咽頭喉頭観察では問題なく、1カ月以上咽頭異常感が持続する場合は、上部消化管内視鏡検査で食道から胃の検査をすすめています。非常にまれですが、食道がんを認める場合があります。

今回のどの異常感についてお話しましたが、副鼻腔炎による後鼻漏の可能性が高く、プレッツ置換療法が非常に有効ですので、該当される方は一度耳鼻咽喉科を受診してください。