病気について知る病気辞典

朝起きたら、手や足が動かない

2014年11月1日

異常を感じたら早めに受診を

朝目覚めた時に、手足に力が入らなくなったり、しびれたりする場合は、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患が疑われます。この場合は、左右どちらかの半身に症状が出現することが多いのですが、片側の上肢(肩から指先)の一部、または下肢(股関節から足先)の一部だけが動かなくなった場合には、圧迫による末梢神経障害かもしれません。

圧迫による末梢神経障害が多いのは、上肢では橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)、下肢では総腓骨(そうひこつ)神経麻痺です。両者とも就寝中の肢位(手足の位置)や就寝具、家具、または体の一部の圧迫などによって起こります。橈骨神経は上腕の下1/3の外側で、浅い場所を走行しています。この場所で腕が圧迫されると麻痺が起こり、手の甲や手指がしびれたり、手首や指先が持ち上げられなくなって、垂れ下がってしまうため、下垂手と呼ばれます。この麻痺は腕枕などによって起こることもあるため、ハネムーン麻痺とか、サタデーナイト麻痺と呼ばれたりすることもあります。

総腓骨神経は、膝の外側、やや後方に骨の出っ張りがあり、その下のあたりを走行しています。この部位が圧迫されると足の甲や足趾(そくし)がしびれ、足首や足趾が持ち上げられなくなり、足先が垂れ下がってしまうため、下垂足と呼ばれます。この場合は歩く時に足先を引き上げることが出来ず、足先と地面が接触し、転倒しやすくなるので注意が必要です。いずれの麻痺も、泥酔状態や睡眠薬を飲んで寝た場合などに起こることが多いと言われています。

治療は神経の回復を促進するようなビタミン剤の内服や、リハビリを行いながら経過を観ます。通常は1カ月前後で自然に回復することが多いのですが、糖尿病などの基礎疾患のある人や、高齢の人は回復が長引いたり、十分に筋力が回復せず、後遺症が残ることもあるため、注意が必要です。回復が悪い場合には、神経剥離術という手術を行う場合もあります。

症状が現れたら、専門医に相談しましょう。