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妊婦健診で行う超音波検査「胎児エコー」では、なにがわかるのでしょうか?

2014年10月11日

胎児エコー検査でわかることについて、妊娠初期・中期・後期に分けて説明します。

①妊娠初期にわかること
胎児の体は妊娠12週頃には基本構造は完成します。この時期に最初の胎児エコースクリーニング検査を行うことが望ましいと言われています。頭蓋骨や胴体、手・足など大きな部分の確認に加えて、首の後ろのむくみ、鼻の骨、静脈管という血管の血流などを見ていきます。主な染色体異常のある胎児の7~8割は、この時期に何らかの異常が見られます。首の後ろのむくみで胎児染色体異常の確率を計算するという方法もあります。ただし、正常な胎児にもある程度のむくみは見られる時期ですので、正確な計測によってきちんと評価される必要があります。

②妊娠中期にわかること
この時期にわかる病気のひとつとして、心臓病について説明します。
赤ちゃんは100人に1人の割合で心臓に病気を持って生まれてきます。ほとんどの心臓病は、生まれるまでは機能的に異常を起こさないのですが、その3分の1は出生後早期に手術が必要な重大な病気です。特に動脈管依存性心疾患といわれる種類の心臓病は、生まれた直後からどんどん状態が悪くなります。胎児期に診断されていれば、専門医によって治療がすぐに始められ、より良い状態で手術できますので、生存率も大きく改善します。

同じく総肺静脈還流異常症という病気も、生まれた直後に手術しなければ助からない病気です。こういった心臓病は、適切な時期に超音波によるスクリーニング検査が必要です。生まれてから徐々に状態が悪くなり、心臓からの血液が大事な臓器に流れないショック状態で初めて心臓の病気と判明し、その後、治療を行っても奏功しない場合が多く、不幸な転帰となる赤ちゃんがまだまだたくさんいます。

③妊娠後期にわかること
妊娠の後期では、胎児の元気良さを評価していくことが主な目的になります。
頭部、腹部、足の骨の計測値から推定体重を計算し胎児発育を評価します。胎児心拍数陣痛図に異常があった場合は、胎児の動き、羊水量、臍帯の血流など、元気良さの指標を詳細に観察して、適切な分娩管理に向けて進みます。

胎児は大きくなるにしたがって骨の石灰化が進み、そのために見えにくくなってくる部分が増えてきます。適切な時期に観察しておかなければわからない病気はたくさんあります。妊婦健診は推奨される間隔できちんと受けてください。