病気について知る病気辞典

気になる認知症、画像診断で早期発見・治療、原因別の適切な治療も可能に

2014年10月18日

超高齢社会を迎えた今、認知症の人は全国で400万人を超え、今後ますます増加し続けていくものと予測されています。65歳以上の高齢者に限れば、平成22年度の時点で、7人に1人程度とされています。現在、いったい誰が、どこで介護するのか、あるいは高齢者が高齢者を介護する、いわゆる「老老介護」の問題などを含めて、大きな社会問題となってきています。

根本的な解決策としては特効薬の開発が望まれるところですが、未だに開発されていないのが現状です。しかしながら、がんと同様に、早期発見、早期治療を行うことで、病気の進行を抑えることが可能で、発病を5年遅らせることができれば患者数は半減するとも言われています。うまくいけば、発病することなく、天寿を全うすることができるかもしれません。

それでは、認知症はどのようにして診断しているのでしょうか。

まずは、本人や家族からの問診や情報収集および簡単な神経心理学的検査を行って、ある程度判断するわけですが、臨床の場で出会う患者さんは典型的なものばかりではなく、迷うようなことも多々あります。しかも認知症は様々な原因で起こりうる病気の総称であり、個別の原因を突き止めることは必ずしも簡単なことではありません。そのようなときに画像診断による脳内の詳しい検査が、大きな役割を果たすことになります。

画像診断で分かる脳の状態には次のようなものが上げられます。

認知症の原因の大半を占めるアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症などでは、比較的特徴的な形態的変化や脳血流分布の異常が現れることが知られています。そこで画像検査を受けることで、早期発見・早期治療、あるいは原因別の適切な治療を受けることが可能となるわけです。

また、まれではありますが、完治することが可能な慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などが原因の認知症が見つかることもあります。

最近は、脳血流分布などの検査にコンピューターによる新たな画像統計解析の技術が応用されてきており、判断がより容易になってきています。治療薬のみならず、画像診断の今後の進歩も大いに期待されるところです。

できることなら、家族や周囲の人たちに多大な苦労を強いることなく、人間としての尊厳を保ちながら、穏やかな老後生活を送りたいものです。物忘れなどが気になるようになったときは、一人で悩まずに、なるべく早くかかりつけ医や「物忘れ外来」などの専門医に相談することをおすすめします。