病気について知る病気辞典

アトピー性皮膚炎にまつわるトレンド

2014年12月1日

それぞれの症状に合わせたオーダーメードの治療を

アトピー性皮膚炎(以下AD)に対する考え方、対応の仕方は一昔前とはかなり変わってきています。

かつては、あるテレビ番組の特集をきっかけにステロイドバッシングが起こり、ステロイドの使用を拒否する患者さんが多く見られました。2000(平成12)年、日本皮膚科学会がAD治療ガイドラインを公表してからは、患者さんの間でもステロイド外用剤が標準治療として少しずつ認知されるようになりました。

ステロイド外用剤の使い方については、症状が重くなると、薬の塗り方が足りないと症状が良くならないことが多いため、一回に十分な量を使用するのがポイントです。悪くなった時にだけ薬を塗るのではなく、症状が治まるまで続け、症状が治まってからも量を少しずつ減らしながら続けていく方法が推奨されています。

最近では、小麦加水分解物含有石けんの使用によって小麦アレルギーが起こるのと同じように、消化器からではなく、乳幼児のADの皮膚から食物アレルギーが起こるのではないかと考えられるようになりました。かつては、食物アレルギーの血液検査で陽性に出た場合に、厳格な食事制限が行われることがありましたが、最近は皮膚の症状をしっかりと外用剤で治しながら、負荷試験などを行って(実際に食べてみて)必要最低限の除去にとどめるのが一般的です。

これまでは、悪化因子として汗をかかないように指導されてきましたが、汗は保湿や免疫機能など良い働きも多いため、汗をかいてから対策をするように変わってきています。

主治医が皮膚の状態を診て臨床症状を評価しますが、TARCという血液検査で皮膚症状の変化を客観的に評価することができるようになりました。

ADは症状も原因も患者さんごとに異なります。なかなか治らない症状を治す(軽快させる)には、トレンドに合わせたオーダーメードの治療が必要です。