病気について知る病気辞典

気づかないうちに発症・進行する「糖尿病」

2014年12月13日

発症には、体質・環境が大きく関与

2012年国民健康・栄養調査結果(厚生労働省)によりますと、糖尿病が強く疑われる日本人成人は、約950万人に上ることがあきらかになりました。2007年の調査からさらに60万人増えています。糖尿病は初期には何の症状もないことが多く、気づかないうちに糖尿病になっている人も多くおられます。

また糖尿病は、血糖値が高い状況が長年続くことによって、全身に合併症が生じることが問題です。視力が急に落ちたことに驚いて眼科にかかったところ、重度の糖尿病が判明した、という方もおられます。

糖尿病の3大合併症として、①神経障害、②網膜症、③腎症が知られています。神経障害が進行すると、がんこな便秘や立ちくらみ、足先のジンジン感や足の裏にいつも砂を踏んだような違和感があ生じたりします。重度となると足の感覚が鈍くなり、足の傷に気づきにくくなり、の原因となったりします。

網膜症は初期には自覚症状がありません。視力低下や症(視界に蚊が飛んでいるような影が見える症状)で気づいた時には、すでに進行した網膜症であることが多く注意が必要です。

腎症に関しては、現在日本で透析治療(腎臓障害により血液浄化ができなくなった場合、人工的に血液から老廃物や余分な水分を取り除く治療)の原因の第一位となっています。合併症は、生活の質を落とすだけでなく健康寿命を短くしてしまいます。

対処法としては、早期発見早期治療、治療の継続が大切です。特に糖尿病初期には年の単位で無症状であることを知っていただき、40歳になったら年一回の健診を受けましょう。糖尿病発症には体質と生活環境が大きく関与します。血縁の方で糖尿病のおられる方の場合はより注意が必要です。早期発見のためには、健診が欠かせません。糖尿病をしっかり理解し、きちんと病状に応じた手当をすれば糖尿病の悪化や進行を食い止めることができます。

体質を変えることは難しいですが、糖尿病発症のもう一つの原因である生活習慣はご本人次第で変えられますので、そのポイントを述べます。生活習慣病という名のとおり、生活習慣を整えることがとても大切です。食事、運動、睡眠、体内時計のリズムを整えて、ストレスをためこまないことが大切です。腹八分、栄養バランスの良い食事をよく噛んで食べましょう。

そして一日一万歩を目標に、こまめに体を動かしましょう。体をよく動かすと、夜寝つきも良いし熟睡できます。運動により心肺機能が整えられ、筋肉が鍛えられると関節への負担も軽減します。運動することで骨も丈夫になります。生活習慣を整えることは、糖尿病の予防のみならず、長寿の秘訣でもあるのです。