病気について知る病気辞典

骨粗しょう症による高齢者の骨折

2014年12月20日

寝たきりにならないために

高齢者の寝たきりの原因は脳卒中、老衰に続いて、骨折であることをご存知でしょうか?

中でも太ももの付け根の骨折(大腿骨頚部骨折)を起こすと座ることもできず寝たきり状態となるため、ほとんどの場合手術が必要となります。現在は手術・麻酔技術が向上したため大部分は歩行可能となりますが、全国統計的には骨折した方の30%は筋力低下のため歩行に何らかの介助が必要になり、数%は寝たきりになると報告されています。また骨折の1年以内に全体の10%の方が合併症の悪化などで死亡されると報告されています。

現在、日本国内で18万人以上の方が大腿骨頚部骨折を受傷されています。その大部分は、骨粗しょう症を合併した高齢者が転倒した場合に起こっています。したがって、骨粗しょう症の予防と早期発見、早期治療を行うことにより、骨折の危険性を低下させることができます。

骨粗しょう症とは骨のカルシウム量が減り、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。現在日本には1000万人くらい骨粗しょう症またはその予備軍の方がいると言われています。

骨量の減少は、加齢によるほか、閉経に伴う女性ホルモンの不足も大きく影響するので、女性では55~65歳で約20%、65~75歳で約35%、75~85歳で約50%の方が骨粗しょう症と言われています。骨粗しょう症が進行すると、ご自分の体重に負けて背骨の骨が自然とつぶれてくる場合があります。最近身長が縮んだり背骨が丸くなり、痛みを感じることはありませんか?そのような方は骨粗しょう症の危険性があります。

骨の量を増やすためには適切な食事や運動、必要に応じた薬物治療が重要となります。食事はカルシウム・ビタミンD・ビタミンKをバランスよくとる事が大切です。カルシウムは骨の形成や維持に欠かせない栄養素であり牛乳・乳製品・小魚等に豊富に含まれています。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きをしており、鮭・サンマ・ウナギ・ヒラメ・乾燥きくらげ等に豊富に含まれています。ビタミンKは骨の形成を促し、納豆・緑黄色野菜に豊富に含まれています。栄養とバランスのとれた食事を心がけましょう。

運動は、散歩のような軽めのものをつづける継続することが大切です。1日20~30分程度週3回でも散歩する習慣をつけてみましょう。

薬物治療では骨を強くし、骨折しにくくする薬が最近次々と登場してきています。骨粗しょう症治療薬はすぐに効果が現れるものではありません。半年~1年毎に骨密度や骨のレントゲン写真を調べながら治療を続ける必要があります。まずは自分の骨の状態を知ることが大切です。

この機会に骨粗しょう検査を、整形外科・内科・婦人科等の医療機関で受けてください。骨粗しょう症を予防し、寝たきりにならないよう自立した生活を目指しましょう。