病気について知る病気辞典

ご存じですか?のどのイガイガ・咳・痰の症状と、鼻との関係

2015年1月17日

日頃診察をしておりますと、風邪が治ったのにのどのイガイガが続いたり、咳が長引いたりする人が、たくさん来院されます。

当然、のどにポリープなどができたり、甲状腺など首にしこりができたりしても、そのような症状が出ることがあるのですが、鼻やのどの奥を詳しく診察してみると、鼻水が前だけでなく、のどの方に垂れている人が数多くおられます。

実は健康な人でも鼻水は、1日に1.5リットルが作られ、その3割は鼻の後方からのどに流れ落ち、知らないうちに飲み込んでいます。この現象が後鼻漏(こうびろう)で、健康な人でも生じている生理的なものですから、これ自体は病気ではありません。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(ちくのう)などで、鼻内の鼻水が増えてくると、前の鼻のあなだけでなく、鼻の奥から口蓋垂(のどちんこ)の後ろを回り込んで、のどに落ちていく後鼻漏が普段よりも増えてきます。この病気時の後鼻漏は、粘り気がとても強いため鼻の奥が引っ付いた感じの原因になります。そのような状態で夜寝るとさらに後鼻漏が増え、痰が詰まったような感じになります。のどに溜まった後鼻漏はもっと粘り気を増し、黄色味を帯びてくることもあります。

鼻炎をお持ちの人で、朝に起床後に痰の混じった咳が多いという人は、のどに溜まった後鼻漏を吐き出そうとして咳をするためだと思われます。このように後鼻漏が原因の咳の場合には咳止めだけを使うよりも、鼻炎の治療も行った方が症状の改善につながります。

いままで「咳と痰が出ているのに、なんで鼻炎薬を処方されるのだろう?」と疑問に思われていた人が多いと思います。「後鼻漏による咳」の場合は先ほどの理由で、鼻炎に対する処方もしっかりと行います。副鼻腔炎の場合は抗生剤を、アレルギー性鼻炎の場合は抗アレルギー剤を主に使いますが、両方を使用することもあります。

さらにプレッツ置換法(陰圧をかけた鼻洗浄)とネブライザー(吸入)などの処置を併用する事で、症状を早く軽減させることができます。プレッツ置換法とは、鼻に陰圧をかけて吸入して、その後圧力を開放することで薬液を副鼻腔(ほほの中など)に入れる治療方法で、急性期の人や症状が長引いている人には、とても有効です。また耳鼻咽喉科においてあるネブライザーは、副鼻腔やのどにちょうど良い蒸気の大きさ(粒子径)に調節していますので、さらに症状を改善する効果が期待できます。

「ヒュー、ヒュー」や「ケン、ケン」など音がなったり呼吸苦を伴う咳は、喘息や気管などの病気の可能性もあるので、内科や小児科の先生の診察を受けた方が良いと思われます。しかし、鼻やのどの調子が悪くて咳を伴っている場合には、耳鼻咽喉科で診察を受けてみることをおすすめします。