病気について知る病気辞典

脱腸(鼠径ヘルニア)の話

2015年3月26日

脱腸をご存じですか?正式には「鼠径ヘルニア」という疾患です。
「ヘルニア」とは、本来あるべきところから外へ出た状態をさしますので、鼠径ヘルニアは、お腹の中にあるべき腸管の一部が、足の付け根の皮膚の下に出てきてしまう状態です。

鼠径ヘルニアには、先天的な原因で子どもに見られる「外鼠径ヘルニア」、中高年以降に多い「内鼠径ヘルニア」、女性に多く太ももに出てくる「大腿ヘルニア」があります。小児のヘルニア以外は、加齢による腹壁の組織(特に筋肉)が弱くなってくることが原因です。加齢以外にも、腹圧のかかる職業、便秘、肥満、前立腺肥大、妊婦の方も注意が必要です。

治療は手術以外はありません。鼠径ヘルニアと診断されたら、なるべく早めに手術を受けることをお勧めします。基本的には、弱くなった腹壁(筋肉・筋膜)を補強する手術です。人工のメッシュ状の補強材が使われますが、年々体に優しくて、術後の疼痛の軽減を考えた新しいものが使われています。また、腹腔鏡下の手術を取り入れている施設もあります。

鼠径ヘルニアを放置しておくと、腸が出たままで元に戻らない状態になり、腫れた部分が硬くて触ると痛みを感じるようになることがあります。これは「嵌頓」といって緊急に処置をしないと命に関わることになります。足の付け根に膨らみや違和感を感じたら、急いで病院を受診しましょう。