病気について知る病気辞典

ペインクリニックを知っていますか?

2015年2月21日

最近、『ペインクリニック』という言葉を耳にすることがあると思います。新聞雑誌等で目にするかもしれません。でもどんな病気を治療するところでしょうか。

ペインは英語で『痛み』という意味です。文字通り訳せば『痛みを治療する診療所』となります。ですが、ひと口に痛みと言っても頭痛や腹痛、膝や腰の痛みなど様々です。ではどんな痛みが治療の対象になるのでしょうか。

皆さんは、「病気があるから痛いんじゃないの?」と思うでしょう。くも膜下出血になれば頭痛が起こりますし、腸炎を起こせば腹痛となります。これらは病気が痛みを引き起こしているケースです。もちろん、こういった痛みは病気の治療を行えば治まります。実は、こういった痛みとは異なる種類の痛みがあるのです。例えば、病気やケガはもう治っているのに痛みだけが持続するケース、つまり痛みそのものが病気と考えられる状態です。これがペインクリニックで治療の対象となる疾患なのです。中でも『神経障害性疼痛』がその代表です。『神経障害性疼痛』とは何らかの原因で神経が傷つき、傷ついた神経が異常に活動することで起こると考えられています。

では実際にどんな病気があるのでしょう。最も多いのは帯状疱疹後神経痛です。これはウイルスによって起こる病気で、最初皮膚に激しい発疹をつくりますが、それが癒えた後も痛みが持続する病気です。首や肩、腕の痛み、足腰の痛みで手術の適応がない場合も対象となります。片頭痛や三叉神経痛(突然起こる顔面の痛み)も比較的多い病気です。

その他、原因のはっきりしない痛みもあり、そういった痛みもペインクリニックの治療でよくなることがあります。ただし、こういう場合は必要に応じて関係各科と連携し、見逃された病気がないか慎重にチェックしています。

痛みという感覚は体を守るために必要なのですが、『神経障害性疼痛』の場合、その痛みが過剰に働くことで日常の行動が制限されてしまいます。ペインクリニックではこうした痛みを和らげ、患者さんのQOL(生活の質)の改善を目指します。とは言え、痛みの治療は一筋縄ではいきません。お薬を使う方法や神経ブロック(神経の周りに注射する方法)、レーザー治療といった方法を適切に使い分け、また副作用を最小限に留めるよう考慮しながら、各々の患者さんにあった治療を見付けていきます。多くの場合、長期の通院治療が必要ですし、正直取りきれない痛みもあります。

痛みは患者さん本人にしか分からないものです。痛みが周囲の人たちに理解されないことで苦しむこともあります。治療はまず患者さんの痛みを認め、理解するところから始まります。慢性的な痛みに悩んでおられる方はぜひ一度、ペインクリニックで相談されることをお勧めします。