病気について知る病気辞典

あなたは傷を乾かして治す?それとも乾かさない?

2015年6月25日

日常診察で傷の治療法についてよく聞かれることがあります。それは「乾燥させて治したらいいのか、または乾燥させずに治したらいいのか」ということです。従来の、傷を消毒し乾燥させる治療法(乾燥療法)と、「消毒しない、乾かさない、水道水で洗う」を3原則として行う治療法(湿潤療法)があります。湿潤療法は、前者の体液をガーゼに吸収させて治療する乾燥療法とは違い、ガーゼの代わりにドレッシング剤を使用して傷を閉鎖し自分の体液を使って治す治療法です。

傷から出る体液には色々な物質が含まれています。止血する血小板や、細菌を殺す白血球の一つである好中球や、それが殺せなかった細菌を貪食(どんしょく)するマクロファージや、新しい組織を作る繊維芽(せんいが)細胞、そしてこれらをコントロールする物質が含まれています。

二つの治療法の違いは、前者が消毒や乾燥により汚染された体液を除去して治すのに対し、後者は体液に含まれた物を利用して自然治癒力で治すということです。どちらにしても重要なのは、傷の状態に合わせた治療を選択するということです。

明らかに汚染された傷に湿潤療法を行うと、感染を悪化させてしまう可能性がありますし、乾燥させたかさぶたがなかなかとれず治らない時は、湿潤療法の適応であった可能性もあります。

「小さな傷だから放置していても治るだろう」と思っていると、傷が悪化してなかなか治らない場合もあるので、少しでも傷が悪化した場合は、最寄りの医療機関を受診しましょう。