病気について知る病気辞典

加齢黄斑変性症

2015年6月1日

目が悪いのは年齢のせいと思っていませんか

加齢黄斑変性症は、年齢とともに目の中心部である黄斑に変化を生じ、視力低下をきたす疾患です。

欧米では、女性に多い疾患と言われていますが、日本では男性に多く発症し、 50歳以上の約1.2%(80人に1人)にみられ、年齢を重ねるごとに発症率は高くなります。

危険因子としては、喫煙、太陽光、高脂肪食、肥満、抗酸化物質の摂取不良などが挙げられます。

加齢黄斑変性症は、萎縮型と滲出(しんしゅつ)型に分類されます。萎縮型は、黄斑の細胞が加齢により変性し、老廃物が蓄積、栄養不足になることで発症します。進行は緩やかと言われています。それに対し滲出型は、黄斑の下に新生血管が発生し、そこからの浮腫や出血により黄斑が障害されるため、進行が早く急激に視力が低下します。現在、治療が行われているのは滲出型で、萎縮型には有効な治療はありません。

初期症状は、変視症(ものがゆがんで見える)です。中心部はゆがんで見えますが、周辺部は正しく見えています。症状が進行すると、中心部が見えなくなり(中心暗点)、視力低下が進みます。治療を行わなければ、視力は0.1以下に低下してしまいます。

早期発見には、アムスラーチャートが有効です。方眼紙のような図を片目ずつ見てもらい、格子がゆがんで見えるかを調べる検査です。簡便な検査なので、自宅でも行えます。

現在主に行われている治療は、抗VEGF剤眼球内注射です。新生血管の発生・成長には、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質が関係していると考えられています。VEGFを阻害する薬剤を目の中に注射することにより、新生血管の成長を抑え、そこからの浮腫や出血を止めることで症状を改善する治療です。これまで行われてきた治療で初めて、視力改善が期待できる治療として広く行われています。治療の副作用として脳卒中が現れることがあるため、脳卒中または脳卒中の危険因子のある人には、慎重に行います。