病気について知る病気辞典

胸がドキドキする症状が出て不安 どういった病気が考えられるでしょうか?

2015年6月27日

「胸がドキドキするのですが?」という症状は、救急診療にかかわらず一般の診療でもよく出会うことが多い症状の一つです。ひと口に「ドキドキ」と言っても、いろいろな病態や疾患を含みます。脈はそれほど速くなくても心臓の拍動を自覚する状態は、動悸とかとも呼ばれます。また、突然脈が速くなる頻脈性の不整脈、脈が1心拍ごとに乱れてしまう不整脈、脈が飛ぶ不整脈、まれに脈が遅くなっても動悸を感じる場合もあります。それぞれ考える疾患が変わり、必要な検査や治療も変わってきますので注意が必要です。

不安なとき、緊張を強いられるとき、ストレスがかかった状態で動悸を感じることがあります。心拍数をコントロールしている自律神経のうち、交感神経の働きが高まり、血圧が上がり、呼吸も早くなり、筋肉も緊張状態となり、脈拍が正常範囲である1分間で60−100程度より速くなり感じる動悸です。大好きな人の前で感じるドキドキなどがこれに当たりますが、自然に動悸は消失しもとに戻る生理的な反応です。しかし、理由もなく動悸がして、「気持ちが落ち着かない」、「ドキドキして心細い」という症状がなかなか治まらない時は、病的な不安の場合があり、専門医の受診が必要なこともあります。

また、飲酒、喫煙、コーヒーなどの嗜好品などでも動悸がすることがあります。薬剤の過剰摂取や、降圧剤による血圧低下が心拍数を増加させたり、貧血や甲状腺機能亢進症など心拍数を増加させる疾患が隠れている場合もあります。

このような動悸とは違って、突然脈が異常に速くなりドキドキして気分が悪くなり、冷や汗が出たりする場合は、頻脈性不整脈が疑われます。頻脈性不整脈としては、発作性上室性頻拍症、発作性心房細動、心室性頻拍症などが考えられます。発作性上室性頻拍症は1分間に脈が時には140-160回となりますが、それでも症状のないこともあります。発作性心房細動は、脈が乱れる不整脈で1心拍ごとの間隔が不規則となるのが特徴です。どちらも生命の危険性は低い不整脈ですが、放置すると心不全や脳塞栓を合併することが時にあり、症状が良くならなければ専門医の受診が必要です。それに対して心室性頻拍症は非常に危険な不整脈です。血圧の低下や意識障害、突然死の原因となりますので、緊急に病院を受診する必要があります。

「脈が飛ぶ」、「ドキッとする」、という症状を特徴とする不整脈もあります。最も多くみられるのは期外収縮で、通常の脈の間隔よりも早いタイミングで不整脈が入るため脈が飛ぶように感じます。期外収縮には、上室性の期外収縮と心室性の期外収縮があり、通常は治療を必要としませんが、頻発する場合などは治療が必要となることもあります。

最後にまれな状況ではありますが、脈が遅い徐脈性不整脈の場合も動悸を感じることがあります。単純な徐脈ではなく房室ブロックなどの治療が必要な不整脈のことがあり注意が必要です。

いずれの場合も、心電図検査や24時間の心電図を記録するホルター心電図検査で容易に診断が可能です。お気軽にかかりつけ医に相談してください。