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頭の働きぐあいを見ることができる検査「脳波検査」をご存じですか?

2015年7月25日

私たちは美味しい物を食べたり楽しい音楽を聴いたりすると、脳がそれらの情報を処理し認識することができます。このとき脳の細胞の中では、ナトリウムやカリウムなどの電解質が移動するため電気の流れが生じています。この電気現象を測定するのが脳波検査です。脳波の歴史は古く、はじめてヒトの脳波が記録されたのはおよそ100年も前になります。その後、数々の発見と改良を経て患者さんの検査に使われるようになりました。現在も、主に神経の病気を対象とした大切な検査のひとつとして活躍しています。

検査方法は、耳たぶくらいの大きさのお皿の形をした器具を、クリームで頭の表面にくっつけて記録するだけです。ですから痛くも痒くもありません。だいたい30~40分ほど横になって休んでいただいているうちに終了します。

では、どのような症状に対して脳波が役立つのでしょう?

みなさんには馴染みのない検査だと思いますが、実はさまざまな病気の診断や鑑別に大きな威力を発揮しています。脳波は読んで字のごとく、脳の活動を“波”として表現してくれるわけですが、大きな波やゆっくりとした波、そして鋭くとがった波など色々な変化を示して異常を教えてくれます。脳波のリズムが速いか遅いかによって、脳の発達が正常かどうかをみることができます。

また、検査の途中でウトウト眠ることができれば、睡眠による脳波変化も詳しく知ることができますので、不眠でお困りの場合、「睡眠障害」の脳波異常をはっきり見ていただくことができます。さらに、脳の働きが低下していることも脳波に反映されるため、意識障害をはじめ、認知症や頭部外傷後の患者さんに対して脳の機能評価に役立つこともあります。もちろん、ひきつけを起こしたようなときには脳波をとることが多いと思いますが、この場合は興奮性の波が出ていないかどうか調べることで、必要なお薬を適切に判断する材料を脳波検査が提供してくれます。こういった点をふまえて“頭の右と左で波の形に違いがないかな?”“年齢相応の波が出ているかな?”“活発すぎる波はないかな?”と調べていくわけです。

このように脳波では脳の機能、つまり“頭の働きぐあい”をみることができるため、頭部CTや頭部MRIでみつけることができない異常を教えてくれることも多いのです。物忘れが気になる方、フッとした記憶の空白を感じる方、頭を強く打った影響が心配な方、なかなか熟睡がとれない方、そして意識を失って倒れてしまうような方には脳波検査が役に立つこともあります。お近くの病院でご相談されてはいかがでしょうか。