病気について知る病気辞典

耳が痛むときに考えられる感染症〜外耳炎と中耳炎の違い〜

2015年9月1日

症状を的確につかんで対処を

耳のあたりに感じる痛みを、耳痛(じつう)といいます。これは、患者さんが耳鼻咽喉科を受診する際によく見られる症状の一つです。
耳の構造を簡単に説明すると、耳の穴の突き当たりに鼓膜があり、それよりも外側を外耳、鼓膜の内側を中耳といいます。急激な耳痛が出現した場合は、この外耳や中耳に感染による炎症が起きている可能性があります。

外耳の皮膚には細菌の侵入を防ぐ層がありますが、耳かきや綿棒で強くこすりすぎると、この層が傷つき、細菌が皮下の組織へ侵入し外耳炎が起こります。また、細菌は高温で湿度の高い場所を好むので、水泳の後などに耳の穴に水が入った状態が続くと、外耳炎になりやすくなります。外耳炎による耳痛の特徴は、耳を引っ張ったり押さえたりすることで痛みが強くなることです。

外耳炎の感染が耳の穴から起こるのに対して、中耳炎は鼻やのどの炎症が耳管(のどの奥から中耳へ続く管のこと)を経由して起こります。そのため、鼻水や発熱などの上気道感染が先行して見られます。中耳炎による耳痛の特徴は、つばを飲み込むことで痛みが強くなることです。

中耳炎は小児に多く発症します。子どもは耳痛の症状を的確につかむことができないこともあるので、耳をよく触ったり、機嫌が悪かったりということがあったら、中耳炎を疑ってみてください。

治療は、外耳炎に対しては耳の穴に抗生物質を含んだ軟こうを塗って炎症を抑えるようにします。また、薬液を耳に直接入れて治療することもあります。中耳炎では、抗生物質の内服治療を行いますが、中耳炎を起こす細菌の中には、薬が効きにくいものもあるので、鼓膜を切開して中耳の膿(うみ)を出す治療が必要になる場合もあります。

耳痛は、外耳・中耳の病気から起こることが多いのですが、中にはへんとう炎や唾液腺の炎症、のどの奥にできた腫瘍などが原因になることもあります。痛みが出た場合には、最寄りの医療機関の受診をお勧めします。