病気について知る病気辞典

妊娠する前に~あなたと家族、風疹の免疫はありますか?

2015年9月19日

「先天性風疹症候群」という病気をご存知ですか?

妊婦さんが妊娠初期に風疹に罹患した場合、赤ちゃんが先天性心臓病、白内障、難聴、発育遅延などの障害をもって生まれてくることです。発症率は母親が風疹に罹患した時期により異なります。妊娠1カ月で母体が風疹になると約50%、2カ月で35%、3カ月で18%、4カ月で8%に発症するといわれています。2011年まで日本の先天性風疹症候群の報告は年間0~2例でしたが、2012年からの風疹流行に伴い先天性風疹症候群の患者数が増加し、2012年から3年間で45例の報告がありました。この流行における患者の多くは20~40代の男性で、そこから妊娠初期の妊婦に感染し、先天性風疹症候群が増加したと考えられます。

風疹の治療は発熱などの対症療法のみで、ウイルスに直接効く薬物療法はありません。風疹の罹患や風疹ワクチン接種で免疫を獲得でき、免疫があれば風疹に罹患することはありません。妊娠初期(8~10週)には風疹の抗体検査を施行して免疫の有無を確認します。十分な免疫を持っていない場合、妊娠初期には外出を控えるなどの方法で風疹感染を予防し、出産後早期に風疹ワクチンを受けるよう指導しています。

風疹ワクチンは生まれた年代により予防接種のシステムが違っており、年齢によって免疫をもっている人の割合が違います。平成2年4月2日以降に生まれた人は、男女とも幼児期に2回接種があります。それ以前の昭和62年10月2日から平成2年4月1日生まれの人は男女とも1回の接種でした。昭和54年4月2日から昭和62年10月1日生まれの人は個別に医療機関を受診して予防接種を受ける制度であったため、接種率が高くありません。さらにそれ以前では、女性は学校でワクチン接種をうけていましたが、男性にワクチン接種の機会はありませんでした。

最も流行した2013年の調査では、20~40代の男性は12.3%の人が免疫を持たない状態でした。風疹は感染力が強く(インフルエンザの2~4倍)、症状が出ない感染(不顕性感染)も15~30%に認められますので、免疫を持たない人は容易に罹患しますし、罹患していても風疹の症状がないことも稀ではありません。先天性風疹症候群を予防するには、妊娠初期に風疹に罹患しないこと以外に方法がありません。そのためには、自分自身の風疹に対する免疫の有無を知ることが大切です。十分な免疫があることが確認できれば風疹に対して無用な心配をすることはありませんし、もし免疫がないことがわかれば風疹ワクチンの接種を受けるよい機会となるでしょう。

松山市や愛媛県では、風疹抗体価を無料で検査する事業を行っています。

対象は
①妊娠を希望する女性
②妊娠を希望する女性、又は風疹の抗体価が低い妊婦の配偶者などの同居人
※ただし過去に風疹抗体検査や風疹予防接種を受けたことがある方、風疹に罹ったことのある方は除きます。

抗体価が低い場合、ワクチン接種は自費となります。

妊娠する前に自分自身の風疹抗体価を検査して、先天性風疹症候群を予防しましょう。