病気について知る病気辞典

塩と唐辛子

2015年11月19日

高血圧治療における塩分の摂取制限量は国によって差があります。米国の成人で推奨されている1日の塩分摂取量はなんと2.3g。日本人の目標値は、男性が9g未満、女性が7.5g未満なので、米国は日本に比べかなり厳しいですが、全米の統計では1日当たりの平均塩分摂取量は3.3gとわずかであり、一概には比べられません。

米国で主食の食パン1枚の塩分は約0.8g、バターやチーズ、ハムなども1切れ当たりの塩分は約0.2~0.6gであるのに対し、日本の梅干し1個当たりの塩分は約2g、ざるそばでも約3gと、塩分量の差はかなりのものです。国民食に違いがあるので、日本人の減塩はとても難しいことです。

一方、スパイスの効いた辛い食べ物は体に良いようで、それを裏付ける研究が、この夏中国から報告されています。約50万人を対象に、辛い食べ物を食べる頻度と死亡率の関係を調べたところ、総死亡だけでなく、がんや虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡のリスクを、辛い食べ物が有意に低減するという結果が出ました。一部のスパイスやカプサイシンなどに含まれる成分は、肥満や心血管疾患、消化器疾患、がんなどのリスクを低減する可能性や、抗菌活性、腸内細菌叢を整えるといった効能の存在も示唆されています。中国で最も多く消費されているスパイスは唐辛子であるため、この研究でのスパイスはほぼ「唐辛子」といえます。

まずは塩分をしっかり控えた上で、味付けや彩りの工夫に「唐辛子」を使うのも試みとしていいと思います。ただし、喘息の症状を悪化させる可能性があるので、心配な方は一度かかりつけ医に相談することをお勧めします。