病気について知る病気辞典

ご家庭で血圧を測っていますか?

2016年1月16日

家庭血圧の測定の必要性と、正しい測定方法について

高血圧症が続くと、脳卒中、心疾患、慢性腎臓病(CKD)や末期腎障害などの病気が発症する危険が増加します。加えて高血圧に肥満、喫煙、糖尿病、脂質異常症やCKDなどのその他の病気発症の危険因子が加わると、さらに危険が増加します。そのため、高血圧を無症状のうちに見つけ、早期に治療を始めることは大変重要です。

最近は、血圧を測定するために、診察室に加えて、家庭での血圧測定が普及しています。高血圧の基準は、一般的には診察室での血圧は140/90mmHg以上ですが、家庭血圧は135/85mmHg以上です。

家庭血圧を測定する利点として、以下を挙げることができます。家庭では血圧の上昇がなくても、診察室血圧だけ高い人がいます(白衣高血圧)ので、家庭血圧と比べることで過剰な高血圧の診断を避けることができます。

白衣高血圧は高血圧の患者さんの15%から30%に見られ、高齢者で頻度が増加すると報告されており、将来に高血圧や糖尿病に移行する危険が大きいので、注意して経過を観察する必要があります。測定値で、診察室血圧が140/90mmHg以上で家庭血圧が135/85mmHg未満であれば白衣高血圧です。

逆に診察室血圧が正常でも家庭血圧だけ高い人がいます(仮面高血圧)。診察室血圧が正常でも、未治療仮面高血圧の人が心血管病を発症する危険は、持続している高血圧患者と同じであり、高血圧として治療が必要です。血圧値からは診察室血圧が140/90mmHg未満で家庭血圧が135/85mmHg以上であれば仮面高血圧です。

また、その他の血圧の異常な日内変動パターンを診断することができます。通常、夜間の血圧は昼間に比べて、10%から20%低下します。しかし夜間の血圧低下が少ないか、夜間血圧が上昇する人は脳、心臓、腎臓などの臓器の障害が起きやすいことがわかっており、逆に夜間血圧が過度に低下する人にも、脳卒中や認知機能障害が起こりやすくなります。さらに、血圧の日々の変動、週の変動や季節変動などが大きいと、病気が起こりやすくなります。このような診察室血圧だけでは得られない血圧変動の情報が家庭血圧測定により得られ、治療の効果や病気の発症のリスクをより正確に評価できます。

最後に、家庭血圧測定時の注意事項について述べます。使用する装置は、上腕用(腕にカフを巻くもの)が適用で、指や手首用は避けるほうがよいとされています。そしてカフの位置を心臓の高さにあわせて、座位で1~2分の安静の後に測定し、起床時(排尿後、朝食や服薬前、排尿後)と就寝前、そして自覚症状のある時などその他適宜に測定するのが適当です。また1機会(朝や就寝時など)にあたり、原則2回測定し記録することが勧められています。

家庭血圧は心血管病の発症のみならず、生命予後の指標であることも報告されています。家庭血圧を測定していただき、今後の健康な生活のためにお役立てください。