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『最先端』頭を切らない脳神経外科治療(集束超音波治療)とは?

2016年4月14日

「本態性振戦」という言葉をご存じですか。これは、原因不明の、主に手の「ふるえ」をきたす病気のことです。利き手で何かしようとすると強くふるえるため、日常生活に支障をきたします。中高年に多く、現在500万人ほどの患者さんがいると推定されています。

「本態性振戦」の治療の第1の選択肢は「のみ薬による治療」です。ただ、のみ薬だけで重度のふるえを完全に治すことはできません。

第2の選択肢として「手術治療」があります。脳の深い場所にある、さまざまな「感覚」を中継する視床という場所の中に、ふるえをコントロールする「Vim核」という数ミリメートルの神経核(神経細胞の集まり)があり、頭蓋骨に開けた穴から細い針を通し、電気を流して破壊します。効果は十分ありますが、手術に伴う「合併症」の可能性があるのが難点です。

そこで、第3の選択肢として“頭を切らずに治す”「集束超音波治療」が開発されました。これは、頭皮の表面から頭蓋骨を通して、最大1024本の超音波を上述の「Vim核」に向けて照射し、焦点に集めて「低温で焼く」治療法です。現在、日本では2台目、世界でも8台目の機器を導入し、臨床治験を行っていますが、良好な治療効果が得られています。残念ながら、まだ保険適応はありませんが、今後の発展が期待されています。

もし「ふるえ」が強くてお困りの方がおられましたら、ぜひご相談ください。