病気について知る病気辞典

「坐骨神経痛」について

2016年4月16日

自分自身の経験を踏まえ、お伝えしたいこと

私自身のことなのですが、数年前から立っていたり、歩いたりすると臀部(でんぶ)から太ももの外側にかけての痛みとしびれが出るようになりました。「ついに自分にも坐骨神経痛が来たか」とがっくりしたのを覚えております。それまで、治療する立場であったのが、受ける側になり、ありとあらゆる治療を受けました。今はすっかり良くなりましたが、患者様の気持ちがそれこそ「痛い」ほどわかりました。

今回は、坐骨神経痛に関して説明させていただきます。

歩いたり、立っていると次第に臀部から太ももの後ろや外側に痛みが走り座りたくなる。これが、いわゆる「坐骨神経痛」の典型的な症状です。

坐骨神経とは、腰椎の神経の本幹から分かれて出てきた神経の枝(神経根)が数本集まってできている神経で、臀部の筋肉の中を通り、太ももの後面を下行し膝のあたりで再びいくつかの神経に枝分かれして足先まで分布しています。

「坐骨神経痛」の原因となる代表的な疾患としては、①腰の骨の間にある椎間板が後方に出っ張って神経を圧迫する事による椎間板ヘルニアや、②腰の神経の通るトンネルである脊柱管が狭くなることによって神経が圧迫されることによる腰部脊柱管狭窄症などがあげられます。

まれですが、腰や骨盤内の腫瘍であったり、細菌に感染していることが原因であることもありますので、このような症状が出た場合には、診断のつかないまま我慢したり、マッサージなどのみで様子を見るのではなく、整形外科などへの受診をおすすめいたします。詳しい問診や、理学所見、レントゲンや、MRI撮影などによって正確な診断を行ってから、治療を開始することが重要です。

治療は、神経痛に特化した専用の内服薬、リハビリテーション、コルセットなどによる治療をまず行います。痛みが強く日常生活に支障をきたすようであれば、「ブロック注射」を行うこともあります。

ブロック注射は、一つは仙骨の下のほうの仙骨裂孔(せんこつれっこう)という所から、神経の膜の周りにお薬を充満させる「仙骨裂孔ブロック」があります。もう一つは、レントゲンをみながら原因となる神経の枝に注射をする「神経根ブロック」です。こちらは、ブロック注射の中で最も早く強い効果が得られる可能性があり、どの神経の枝が原因なのかの診断の目的にも用いられます。それぞれのブロック注射に、長所、短所がありますので、受診した際に詳しく医師に説明してもらってください。

しかし、それでも痛みがコントロールできず、日常生活にも支障をきたす痛みの場合や、足の筋力の麻痺がでて徐々に進行する、さらには排尿の障害がでてきたりしますと、手術が必要となる場合もあります。特に後者の2つの症状が出ているのに治療の機会を逃しますと、不可逆的になることもありますので、くれぐれも放置しないで、お気軽にご相談に来ていただければと思います。