病気について知る病気辞典

咳き込みが長引き続く場合、百日咳の可能性があります

2016年5月14日

百日咳は百日咳菌という細菌が原因で起こる感染症です。潜伏期は5~10日(最長3週間)で咳による飛沫で感染します。病名が示すように咳が100日(約3カ月)ほど続きます。百日咳が流行しないよう、乳幼児に対して4種混合(ジフテリア、破傷風トキソイド、百日咳、ポリオ)ワクチン接種が行われていますが、ワクチン接種後6~10年すると効果が切れてくるので、8歳を過ぎる頃から百日咳にかかる可能性があります。

「コンコンコンコンコンコン」と激しくせき込んだ後に、「ヒューッ」といいながら大きく息を吸うのが、百日咳に特徴的な咳で、これをレプリーゼと言います。レプリーゼがみられると診断は容易ですが、実際にはレプリーゼがみられず、激しく咳き込むだけのことが多いです。このようなひどい咳が1カ月ほど続き、その後咳の回数は徐々に減ってきますが、一度咳が出ると咳き込んでなかなか止まらないという状況が2~3カ月続きます。

レプリーゼがなくても、①原因のよくわからない咳が2週間以上続く、②咳込んで吐いてしまう、③夜間に咳がひどくなる、④顔を真っ赤にして咳き込む、⑤痰が少なく渇いた咳が出る、⑥周囲にひどい咳が長引いている人がいる場合は、百日咳の可能性があります。

治療には、百日咳に有効な抗生物質を使います。百日咳にかかると、3週間ほど菌を排出すると言われていますが、抗生剤を飲むと、飲み始めて5日後に菌の排出はなくなります。ただし、咳がひどくなってから抗生剤を飲んでも、咳は良くなりません。百日咳菌は咳毒素を作り出します。咳がひどくなった時には体内にかなり咳毒素がたまっています。抗生剤で百日咳菌を殺しても、咳毒素は体内に残ったままです。体内の咳毒素はちょっとずつしか減っていきません。こういう理由で、咳が100日も出続けるのです。咳の程度に合わせて咳止めを使いますが、咳止めの薬で咳をなくすことはできません。

赤ちゃんにとって百日咳はとても危険な病気です。百日咳は赤ちゃんも感染します。また、赤ちゃんが百日咳にかかると重症化します。特に、生まれたばかりの赤ちゃん(生まれて1カ月以内)がかかると無呼吸を起こして、死亡することも少なくありません。肺炎や脳症を合併することもあります。咳き込んでいる人は、赤ちゃんに近づかないようにしてください。

百日咳は自然感染しても、2~5年で抗体が減ってしまい、繰り返し感染します。ですので、ワクチンによる予防が効果的です。4種混合ワクチンは生後3カ月から受けられますので、早めにワクチンを受けましょう。