病気について知る病気辞典

AMH検診のすゝめ

2016年5月28日

あなたの卵子の数をご存じですか?

いずれ妊娠・出産して子どものいる家庭を築きたいと望みながらキャリアを優先している女性、あるいは月経のある間は妊娠・出産できると考えて先送りにしている女性は少なからずいるのではないでしょうか。

妊娠するにあたって重要なのは卵子の「量」と「質」です。卵子の数は限られています。将来、妊娠・出産を望んでいるにも関わらず今はキャリアを優先している女性で、自分の卵子の数を把握している人はどれほどいるでしょう。女性のライフプランを考えるうえで、自分の卵巣に残された卵子の数(卵巣予備能)を知ることはとても大切なことです。

女性は、胎児としてお母さんのお腹のなかにいる時に、一生分の卵子が作られます。そのピークは胎児の時(妊娠6カ月)で、700万個程度と言われています。その後減少していき、出生時にはすでに200万個程度まで減っています。つまり女性は、卵子がすでに下り坂の状態で生まれてくるのです。生まれた後も少しずつ減っていき、初経の頃にはすでに20~30万個になっています。初経後、毎月の排卵で1個ずつ卵子がなくなっていくというのは間違いで、毎日30個くらい、月で言うと毎月1000個くらいがなくなっています。妊娠適齢期と言われる20代で10~15万個、30代後半では赤ちゃんの時の1~2%、2万個くらいしか残っていません。

卵巣内の卵子の数を「卵巣予備能」と言い、卵巣予備能は年齢とともに下がっていきますが、個人差がとても大きいことも知られています。年齢が高いのに多くの卵子が残っている人もいれば、年齢は若いのに卵子がほとんど残っていない人もいます。

AMH(アンチミューラリアンホルモン)の値を測定する血液検査(保険外診療)で自分のおよその卵子の数がわかります。女性は30歳になったら、一度AMHの検査をすることをおすすめします。AMHが低い方は妊娠できる期間が限られてきます。その場合はライフプランの見直しも必要になります。卵子が少なくても妊娠することは可能です。しかし残された時間は少ないのです。短期間で集中的に妊娠・出産に臨まねばなりません。

また卵子は老化をしていきます。通常、人の細胞は細胞分裂という新陳代謝で常に新しく生まれ変わっています。しかし卵子は細胞分裂ができません。卵子という細胞は生まれ変わることなく、赤ちゃんの時の卵子が卵巣の中でずっと保存されています。つまり20歳の女性の卵子は20年経った細胞で、40歳の女性の卵子は40年経った細胞なのです。これが卵子と精子の大きな違いで、精子は精巣の中で細胞分裂をして造られています。20歳の男性でも、40歳の男性でも精子は新しい細胞として生まれ変わっていきます。男性よりも女性の年齢の方が妊娠率に影響するのはこのためです。しかし老化した卵子の中でも妊娠する力をもったものもあります。ただその割合が低くなるのです。ですからなるべく卵子の全体量が多いとき(卵巣予備能が高いとき)に妊娠・出産をトライする方が望ましいです。

将来、妊娠・出産を望まれる女性は血液検査でAMH値を測り、自分の卵子力(卵巣予備能)を理解した上でライフプランを設計することをおすすめします。