病気について知る病気辞典

最近若い女性の子宮頸がんが増えていますよ!

2016年6月9日

「子宮頸(けい)がんの本当の怖さは、“知られていないこと”かもしれない」。某製薬会社の宣伝文句ですが、「実に“的を射た”コピーだ」と感心しました。

最近日々の診療で、若い女性の子宮頸がんが増えていることを実感しています。国立がん研究センターの統計からもそれは分かります。20~30代の女性の子宮頸がん発症率は、1990年には10万人当たり30.8人でしたが、2010年には63.0人と約2倍に増加しています。今の日本人女性の出産年齢のピークが30~34歳であることを考えると、子どもが欲しい時期に、また妊娠と同時に、子宮頸がんが見つかる人も少なくありません。

子宮頸がんの主な原因は、多くの女性が感染するヒトパピローマウイルスであることが分かってきました。このウイルスは感染時にはほとんど症状がなく、多くの場合自然に治ってしまいます。しかし、喫煙や免疫状態の低下などの要因で感染が長く続いた場合、がんを発症する危険性が増加します。ただ幸いなことに、感染からがんになるまでにはある程度の時間がかかるので、その間に検診を受け、がんになる前の状態やがんの初期の段階で見つけることができれば、将来の妊娠・出産の可能性を残すことができます。また最近は、希望すればワクチンによる予防も可能です。今の日本には子宮頸がで大切な時間と多くの幸せを失わずにすむ方法が身近にあるのです。

日本で毎年約1万人が発症し、3千人の女性が命を失う子宮頸がんについて、考えてみてください。