病気について知る病気辞典

これから妊娠を考える方へ。葉酸摂取の勧め

2016年7月14日

みなさんは神経管閉鎖障害という病気をご存じでしょうか?これは、赤ちゃんの脳や脊髄などの中枢神経のもと(神経管)が作られる、妊娠初期に起こる先天的な病気です。日本では、生まれた赤ちゃん1万人に対して約6人の割合でみられます。

神経管の下部に閉鎖障害が起きた場合、これを「二分脊椎」といいます。二分脊椎の起きた部位では、脊椎の骨が脊髄の神経組織を覆っていないため、神経組織が障害され、歩行障害や排尿・排便障害が起きることがあります。神経管の上部で閉鎖障害が起きると脳が形成不全となり、これを「無脳症」といいます。無脳症の場合、流産や死産の割合が高くなります。

神経管閉鎖障害の原因の一つが、妊娠初期の葉酸不足です。葉酸は、ブロッコリーやホウレンソウなどの緑黄色野菜や、豆類、果物、レバーなどに多く含まれるビタミンBの仲間ですが、熱に弱い上に水で溶け出しやすく、調理過程で失われやすいため、厚生労働省は妊娠の可能性のある女性に対して、サプリメントなどを利用して1日に400μg以上葉酸摂取することを勧めています。

妊娠前からの摂取で、発症を70~80%抑えられるといわれています。アメリカなど、パンやシリアル、マカロニといった食品中に葉酸の配合を義務付けている国もあります。ただ、摂取の時期も重要で、予防には妊娠1カ月前~妊娠3カ月までの服用が必要です。

神経管閉鎖障害の予防のため、妊娠を望んだ段階で、葉酸摂取を始めることをお勧めします。